晩年「師父…最近白いものが増えましたね」
「そうか?私もそんな年齢になったか…お前はいつまでも若々しく逞しいな」
眩しそうにレオンを見つめる。
「あなたは今でも美しいですよ…師父」
「ッ阿樑…」
「今でも俺をそう呼んでくれるんですね、嬉しいです…」
レオンが口付けようと顔を寄せると、葉問はふいと顔をそらして悲しそうに言う。
「お前に求められるような年齢ではないよ…髪は白く、体力も落ちた…」
「貴方はこんなに魅力的なのに、俺に求めるなと言うんですか? 酷い人ですね」
「私はお前に相応しくないんだ、阿樑」
「師父、俺が嫌いですか?」
「嫌い…?な筈がないだろう、私はこんなにもお前を…っ」
「俺を?」
「…お前を愛しているよ、阿樑。心から…」
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