《もう1人の傍観者》《??年前のあの家》
「どうか気に病まないで下さい。貴方の仕事の事を考えればこんな赤ん坊なんて連れて行けないですよ。まあ、仮にも姉さんの子どもだから俺が責任持って施設に預けます。良いとこでは無いかもだけれど。」
『ごめんな……何から何まで押し付けるような形になってしまって…』
「ここには帰ってくるんですか?この家は残されるんでしょう?」
『そうだな…処分しようとも考えたが、俺たちにとっては思い出の家なんだ。だから戻っては来るだろう………けどその子とは二度と会わないつもりだ…けど…赤ん坊からしたら俺なんかと一緒に居るよりは幸せだろう…』
「それを言ったら___」
俺は口を噤んだ。というより興味なかったのだ。他人の家庭の事情なんて心底。この人が選んだ事も。これから選ぶ事も
864