鍵チャリ….…
ポケットの中にある2つの鍵を意識しながら
家へと歩いていた。
真下と交際することになった。
どちらからともなく、その場の流れで付き合うかという事になった。あまり恋人らしいことはお互いしてないが、ほぼ毎日と言っていい程あいつは九条館に来る様になっていた。
急に通うようになった理由を聞いたら、
「客室のベッドがよく眠れる。」と言っていた。
付き合っているからとでも言えば可愛げもあるものをと思わなくもなかったが、あの男が素直にそのようなことを口にするとは思えん。
それに睡眠は大事だし隈が薄れているのは本当なので、「そうか。」と答えてこの話は終わった。
しかしだ、俺も調査で遅くなるときがある。
その間もずっと外で待っている真下を見ると少し申し訳ない心持ちにもなる。
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