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    稲荷娘

    @musumeinari

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    稲荷娘

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    ケダモノオペラ、ケダモノシート。

    傾国の美女(男)です。

    湖の竜名前:ローデュラウム
    種族:ドラゴン
    住処:山の麓にある静かな湖畔
    権能:狡猾

    欲望:【偶像】忘却を最も恐れており、誰かの記憶に残る為望まれたように振舞おうとする。それが善行でも悪行でも、どれだけ自分と乖離していても記憶に残れば関係ない。

    【悪意】多くの竜と同じく人間を憎んでおり、人間により酷い破滅を迎えさせるべく一時的に力を貸すことがある。特に光の主の信者へは当たりが強い。

    【気まぐれ】一方、彼はケダモノの中でもとびきりの気分屋なので時々なんの対価も無しに人間の問題を解決する。特に子供を無償で助けることが多いが、あくまで気まぐれらしい。
    …彼が小さな子から対価を取った試しがないのには触れないべきだ。

    疑似餌の姿:中性的な顔立ちの貴人、見るものによって男のようにも女のようにも見えるため、美女とする伝説と美青年とする伝説がある。
    いつも冷笑的でこちらを憐れむような笑みを浮かべている。

    伝説
    【三位一体】複数の側面があり、一体のケダモノでありながら時に王を誑かす毒婦、時に民を導く賢人、時に湖や山の化身として様々な言い伝えに登場する。そのいずれも決して完全な嘘偽りでなく、故にこのケダモノは人間には理解し難い。

    【薔薇色の悪夢】
    ある帝国の王が新たな側室を迎えた、その妃は生まれが特別良いわけではないが利発で、邪気がなく献身的な性格を気に入られて寵愛を受け、いつしか正室たる王后を差し置いて政治的な発言力を持つまでに至った。

    勿論、賢臣達はこれに難色を示し側妃の廃位や降格などを進言したが既に妃の傀儡と化した王は耳を貸さず、それどころか進言した忠臣やそれに賛同したものを処罰する有様。

    朝廷は勿論国の中でも徐々に王と側妃の悪評が広まっていったが、そんな中側妃が臣下たちに労いの宴を開いた。招待されたのは側妃の傘下にあるもののみではなく、妃の処罰を進言したものや数は少ないが一般市民、果ては城の外の物乞いまで招待された。
    はて、おかしなことがあるものだ。一部の臣下は怪しんだが妃からの招待を断る訳にもいかずほとんどのものが出席することになった。

    そうして開かれた宴は、実に華やかなものだった。色とりどりの天幕が掛けられ、薔薇の香りのする会場には贅を凝らしたご馳走が並び、宮廷の楽師達による演奏が止むことなく響き、臣下も市民も物乞いも分け隔てなくそれを享受し、美酒に舌鼓をうつ。
    この世の極楽かのような宴の中で、あの妃はその全てを見下ろして微笑み皆に謝辞を述べた。
    まずは帝国の血たる市民に、次に貧しくもめげずに生きる物乞いに、そして最後に日頃から国の為尽す臣下達に。

    皆が沸き立ち、宴もたけなわとなったとき。いつも通りの無垢な笑顔で妃が皆に贈り物を、と立ち上がった。
    その途端、天井の天幕が一斉に落ち____薔薇の花弁が会場に舞う。
    感嘆の声で包まれた会場に、薔薇が降る。床を埋め尽くす程に、否、人を埋め尽くす程に。
    会場の歓声は徐々に悲鳴や呻きに変わり、忽ち極楽は地獄に変わった。
    後に残ったのは、血の如く赤い花弁の海とそれを見て笑う側妃のみ。その後、妃に逆らうものは誰もいなくなり、帝国は滅んだという。
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