なんかどっかの城の中で潜入任務してたとかで警備に見つかり絶対絶命ってなったときの師弟
「このままでは共倒れだな」
「先生、どうするの?」
「…………やむを得まい。ポプル」
「は、い……?」ドンと突き飛ばされた
ポプル「え、えええええええ~!?」そんで地に押しつけられる形で捕まる
「必ず助けてやるから許せ」めっちゃにっこにっこしながらイタズラっぽい笑み浮かべてる
「せ、先生のバカー!!」牢屋直行
「先生のバカ! 悪魔! 薄情もの! また弟子を囮に使うなんて、このひとでなし!」牢屋に閉じ込められてる隙に罵詈雑言
低めの声の看守「言いたい放題だな」顔は見えないよう深く帽子を被ってる
「当たり前よ! いつもいつもウソついてばっかり! 本当のことなんてめったに言ってくれない、冷たい先生なんだから!」知らないひとだからと油断していて悪口ヒートアップ
「でも、クールで薄情だけど、とっても優しいの。だからきっと、わたしを助けに来てくれる!」来てくれる……来てくれる……来てくれる……(エコー)看守はだんまり
「助けに来て、くれる……よね? 助けてくれるかなあ?」牢屋の外にある廊下に自分の声がむなしく響いて自信がなくなってきて弱気になる
「失礼な弟子だ。必ず助けてやるから許せと言っただろう」看守が帽子をはずす。するといつもの仮面をつけた先生がいた
「せ、先生!」力が抜けたのかへなへなと座り込むポプル
「ほら、この牢の鍵だ。脱出ルートも把握済み。あとは、一緒に逃げるだけだぞ?」鍵をちらつかせ、不敵な笑みで手をさしのべる先生
「来てくれるって、信じてましたあ!!」目に涙を浮かべてその手を取るポプル
「ところで、まさかこんな形で弟子の本心をきけるとは思わなかったな。ずいぶん言いたい放題だったみたいだが、なにか言うことはあるかな?」楽しそうににこにこしてたのが一変、悪い顔でにやりとしながら自分に抱きつく弟子を見おろす先生
「ひえ……帰ってから、お仕置きはやめてください~!」抱きついたまま固まり、自分が悪口を言っていた相手が看守でもなんでもなく、とんでもなく恐ろしい先生本人で、今はその彼に抱きついてすがっていることに気づいた弟子。別の意味で涙目
余裕綽々でポプル捕まってもすぐに助ける先生さすが。たぶんポプルが知りもしない依頼人の情報吐けとか言われて拷問されるポプルを想像して心配したから急いで助けたんだと思います。そんな態度は微塵も、おくびにも出さぬ先生ソークール✨
あるいは別の可能性
「やれやれ。これでは仕事もままならない。この場合、どちらか一方がおとりとなる必要があるな」
「まさかまたわたしをおとりに使うつもりですね?」なにも信じない目で睨む弟子
「そんなことはしないさ。だからポプル」トンっと軽く肩を押して隠し通路にポプルを押し込む「絶対、逃げきれよ。そして、必ずわたしを迎えに来てくれ」じゃ! と片手を上げてわざと見張りに捕まるラルガス。助けに、じゃなくて迎えに、なのがポイント。たぶんその気になれば逃げ出せるがポプルの技量を試すためにわざと捕まった
「先生……泣いてる場合じゃない。わたしが、先生を助け出さないと!」
ぱちんとほおを叩いて決意するポプル。先生なら自力で抜け出せるとか考えてない。自分が先生を助けるという珍しい場面に気をとられていて先生の実力についてすっかり忘れてる
「お迎えご苦労。あまりに遅いんで、待ちくたびれた」
なんやかんや檻から助けられた。まあ大丈夫だろとポプルを信じているのである程度の拷問なら無抵抗で耐えてたひと。ただし回復呪文は唱えてた。そんでポプル来るのに時間かかって殴られたりだとかしてぼろぼろ傷だらけでも拷問官に涼しい顔して「なんだ、これだけか?」とか言って挑発してそう。一ヶ月飲まず食わずでいけるひとだから、こんなもんかとあくびが出るほどぬるかったんだろうな。そんな先生見て、遅くなってごめんなさいとポプルは泣く。ポプルが大切に思う自分がこれだけわかりやすく傷つけば、優しいポプルは一日でも早くもっと強くなろうと今まで以上に努力するだろうから、その未来の対価に比べればこのくらいの怪我は安いものだなとか打算的な考えしてる先生がいたりいなかったり。自分が傷つくのは、あくまでポプルのためのみという先生、どっかしら愛情が歪んでて執着の仕方が悪魔的で変に理性的なのにぶっ壊れてる感じがよき。しかしそんな先生の心情をポプルは気づかないという危うい関係師弟も良い✨