アルが使い魔になって半月ほど、ゴツい首輪に捕らわれ強い悪魔ほしい魔女に無理やり使い魔にさせられそうになり、賢いやり方なら相手の要求を飲むふりをして逃げられたアルだが脳裏に過るのはアルを呼ぶポプルの笑顔。気づけば口は動き、声に出して嫌だとはっきり答えていた。
このおれを支配したいというのなら、おれに相応しい主人になって出直してこい!
助けに来たポプル。泣かれるのに弱いのは、自分に相応しい主人ではないから。そんな理由ではない。ポプルだから、ポプルに泣かれるのに弱いだけなのだ。二度も助けられた命の恩人
今度はおれが守るよ。おまえになら命を懸けたって惜しくはない。
半人半獣片角縦に広がった瞳孔第三の目、本来の力鎖ちぎる、テレポートシール、身がわり人形。
偽物とわかっていたが堪えるものだな。堪えると自分でも自覚するほどに、あいつを気に入っていたのか
なぜ見捨てない?
絶対見捨てない、だってアルはわたしの使い魔だもん。アルを見つけたのはわたしなんだもん。アルじゃない誰かのもしもなんて知らないよ! アルはわたしが守る! それが主人としての務めなんだから!
おれを守るだなんて、大口叩いてる暇があるなら足を動かせ(照れ隠し)ありがとうよ(メリットないのに必死に守られる経験ほぼなし)
逆だよ。主人を守るのが使い魔の使命だ! 守るよ、たとえおれの命に代えても
おれのマスターは、おれが選べると言うのなら、それはおまえがいいよ
こいつを傷つけるやつは、こいつを泣かせるようなやつは、このおれが許さん(ポプルかばって額から血が流れほおを伝い落ちる)
こいつは、おれが守るべき存在。この小さな主が、おれの生きる理由。誓うよ、なにがあってもおまえを守り抜くと。おまえを守れないおれに、価値などない。死んでも必ず守り抜いてみせる
ウィル、りょーかいマスター
オーグ、合点だマスター
アル、わが主の仰せのままに。マスター?