不死身とはずっとずっとついて回っている希死念慮。
死にたくなったらリスカをしたり、ODをしていた。
今日もそうやって死にたくなってリスカをした。
いつもの通り、しっかり研いだナイフで。
心の苦しさを傷に変えて中和する。
そのはずだった。
柔らかい腕にナイフを当て、ひく。
確かに傷はついた。痛みもあった。血も流れ出た。
でも、つけた傷がすぐに治ってしまった。
尋常な速度ではない。数秒で傷が治ってしまった。
おかしい。どういうこと?
その疑問で彼女の頭はいっぱいだった。
もう一度傷をつける。治る。傷をつける。治る。傷をつける。治る。
再生能力が飛躍的に上昇している。
あぁ。
「アタシ、死ねなくなっちゃったのかぁ」