Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    Karasuma

    @TakeMako__Karas

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 16

    Karasuma

    ☆quiet follow

    アキウィルSSチャレンジ5日目

    聞き覚えのあるの声が聞こえた気がした。
    その声に目を開ければ、目の前には灰色の空。ではなくコンクリートが広がっている。
    起き上がろうと体に力を入れると全身に激痛が走る。段々と意識がはっきりしてきた。

    「いてて…そうか。戦闘で建物が崩れたのか…はぁ……」

    ついてない。幸い体が下敷きになっている訳ではなく、上手く隙間に入り込んだようだ。
    起こしかけた体から力を抜く。怪我以外にも能力の使いすぎで全身が痛だるい。
    見つけ出してくれるだろうか、と不安がよぎり振り払うように目を瞑る。

    『ウィル』

    また幻聴が聞こえる。アキラの声だなんて、どこまでもアキラのことが好きみたいで自分に呆れる。

    「ウィル!」

    今度は近くで、しかもはっきりと聞こえた。驚いて目を開くと瓦礫が緑に光浮き上がる。

    「お〜い。無事かぁ」
    「大丈夫か!どこか怪我は増えてねぇか?!手足は!頭は?!」
    「ちょ……アキラ待って」

    空いた隙間からアキラが降りてきては怒涛の質問責めをしてくる。一旦無事だと伝えればやっと落ち着いたのか息を吐いている。
    大袈裟だと思っていれば、突然アキラの目からポロポロと涙が落ちる。

    「アキラ?!どこか痛いのか?」
    「あぁ〜まぁなんつーか…安心したんだろ。必死な顔でいいから付いて来いって連れてこられて、瓦礫持ち上げろーって。
     説明する余裕も無かったんだろ。大目に見てやってくれ」
    「キースさん…ありがとうございます」

    乱暴に袖で顔を拭くアキラの腕を掴んで止めさせる。アキラがキースさんを呼んできてくれたから助かったのか。

    「アキラ、ありがとう」
    「…おう!」

    笑顔からこぼれ落ちる涙が光を纏って美しいと思った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works