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    mochichiti

    モチです
    作品、原稿の進捗とか
    今のところdcst 千ゲのみの予定

    えっちなのはワンクッション置いてます

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    mochichiti

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    表紙から妄想した情報屋のあさgりのはなし
    🚀と❄️もでます
    全然終わってません かきたいとこだけ……

    様々な言語が混ざる、喧騒。目に毒なほど安っぽく輝くネオン。それらの中をすり抜けるようにして歩いては、聞こえてくる会話を頭の中に仕舞い込んだ。
    この街で生きていくための、俺の仕事だ。言葉を操って、情報を得て、事実と捏造を混ぜ込んでどうにか毎日朝陽を拝む。もう何年もこうやって生きて、そうして気づけば裏社会でも顔が知られるようになっていた。
    そうなりたかったわけではないが、これはこれでお金にも困らないし悪くない。たまーに危なそうな依頼人から仕事を受けてしまうこともあるけれど、年月を重ねる中で所謂ヤバい相手の匂いはわかるようになっていた。
    派手な色彩のベストに紫色のジャケット、首元と瞳を緑で覆った俺の格好は自分で見ても一目を集めると思う。その方が都合が良くて、だからこんなに目立つ格好をしているのだけれど。
    さわがしい街の中ではこれくらいの方がいい。このことに気がついてからはずっとこんな感じで、へらへらふらふらと"情報屋"なんてものをやっている。




    安い情報ばかりが売れた日だった。思ったよりも重たくならなかった黒い財布の中を見ながら、地下に置いている拠点を目指す。
    誰かが後をつけてきている、その気配を感じながら。
    地下にまでついてこられたら面倒くさい。狭いし、逃げ場もないし、声も反響するからそこから読み取れる情報も減るし。尾行を隠す気がないのなら声をかけてもいいだろう。というか、俺が振り返るのを待っているのかもしれない。
    裏路地に入る。仄暗いそこで、俺は静かに口を開いた。
    「ーー俺に何か用? 尾行されるのは趣味じゃないんだけど」
    くるり、振り返る。暗闇に浮かび上がる水色のネオンが眩しくて、けれどレンズ越しにその色は正確にはわからない。
    どこかに誰かがいる、ことはわかるのに姿も声も現れない。ちょっと卑怯じゃない?
    「わざわざ優しく後をつけるだけってことは、俺に何か価値を見出してるってことかな。報酬によっては、教えてあげてもいいよ」
    名無しさん、と虚空に呼びかけた。気配は変わらずに、それでも返事はない。どうしたもんかな、と頭を悩ませ始めたときだった。
    コツコツと足音が響く。路地の奥、暗闇から赤いネクタイの男が歩いてくる。ジャラジャラと身につけたゴールドが月に反射し、首に巻かれたベルトのようなものの留め具は銀に光った。
    見たことのない男だ。後ろに長身の男を控えさせていて、そちらは鼻まであるマスクで表情が一切分からない。
    足音が近づいてくるが、まるで蛇に睨まれたかのように身体が動かなかった。この街のことはよく知っているが、こんな視線は知らない。どこか他所から来たのだろうか。
    「ーー二人で後をつけるなんて、悪趣味」
    「それは申し訳ねえ。……テメー情報屋だろ」
    謝罪の意を微塵も感じさせない声色で、スーツの男は俺に尋ねてくる。前置きや交渉などはしない主義のようだ。
    ちゃり、とグラスコードが音を立てる。少しだけ目の前の男に近づいた。
    「そうだよ、俺は情報屋。真実も知ってるし、真実でないことも知ってる。……何が知りたい?」
    俺を知って声をかけてきたのだ。おそらく知りたい情報がある、はず。それを安易に教えるかどうかはまだ決めかねているが、何か言葉を発していないと圧倒されそうだった。目の前の男と、後ろに控えるマスクの男に。
    は、と笑うように息を吐く。話が早え、と一歩俺に足を踏み出す。
    「知りてえのは取引場所だ。あんだろ、この街にも裏で行われている違法なやつが」
    取引場所と言われて、心当たるものはいくつかあった。そのどれもが法に触れていると知っていて、俺は見て見ぬ振りをしている。なぜかって、お金になるから。それだけだ。
    裏社会の人間たちからは口止め料が支払われている。こいつらが知りたがっていることは、お金を受け取っている以上易々と教えるわけにはいかない内容だった。
    「……さあ、なんのこと?」
    「嘘がうまいな」
    まあそう簡単には言わねえか、と張り詰めていた空気が少しだけ和らいだ。とはいえ楽になったのは前の男だけで、もう一人は変わらずだ。
    「……千空クン、このひと案外ちゃんとしていますね」
    マスクの男が、センクウくん、とスーツを呼んだ。センクウ、どこかで聞いたことがある気もするし、ない気もする。すなわちやはり知らない人物だ。
    「そーだな。……なあ情報屋、俺たちも払ってやるよ。テメーが欲しいものはなんだ?」
    口止めしてる奴らを上回ればいいんだろ、とあっさり言われて拍子抜けしてしまう。もっと詰められるかと覚悟して、服の裏に仕込んだナイフにこっそり手を伸ばしていたけれど不要かもしれない。
    「あーーー、その物騒なもん出しても意味ねえぞ。テメーが動く前に、こいつがその手ぶっさすわ」
    こいつ、と後ろの男を指した。距離があるとはいえ、冗談に聞こえないそれはおそらく真実だろう。
    からん、触れていたナイフを地面に落とした。コンクリートとぶつかった乾いた音がやけに大きく響く。
    「これも気づいちゃってるんだ」
    「考えりゃわかるこった。ーーで、テメーの望みは」
    和らいだ雰囲気が再び張り詰めた。考えろ、何をどう答えるのが正解か。教えていいのか、こいつらに。どう見ても怪しい……のは人のことを言えないけれど、そう思うほどに目の前の二人は訳ありだった。
    長く考えれば考えるほどこちらが不利になることは分かっていた。力尽くで俺に情報を吐かせようと思えば簡単にやってのけるだろう。それをしないで会話ができているうちに、少しでも時間を引き伸ばして様子を見たい。
    「……当ててごらん」
    「ああ?」
    俺は、すうっと息を吸った。排気ガスの混ざった汚れた空気が肺に入って、なんともこの街らしい。
    「当ててごらん、"センクウ"ちゃん。当たったらなんでも教えてあげる」
    またおいで、俺はいつでもこの街にいるから。
    それだけ言って、背を向けた。背後を詰められる気配はなく、振り返らなければ今日のところはこれで終わりにできそうだ。
    ひらひらと右手を振る。少しは時間稼ぎができただろうか。
    どうにも面倒ごとに巻き込まれた気がする。一人で背負い込むのは荷が重いから、あの子を巻き込もうと同じく地下に住む知人の顔を思い浮かべるのだった。
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    mochichiti

    DOODLE情報屋あさgりのはなし つづきました
    短いです
    これ書くのはちゃめちゃ楽しくてびっくりしてる
    さわがしい世界から離れて、地下への階段を下りた。表からは見えないこの道は裏社会をかじっている人間だけが知っているもの。
    剥き出しの金属音が足を進めるたびに響く。この音こそが、俺の帰宅を知らせる鐘。
    長い螺旋階段を下りて、暗闇を歩く。暗闇には橙色の電灯が灯り、布や鉄板で隠された各自の住まいが存在している。その中の一つから、童顔の男が顔をのぞかせた。
    「遅かったね」
    「あ〜〜ちょーっと色々あって」
    聞いてよ羽京ちゃん、と布をくぐればそこは俺たちが生活を営む拠点。見た目とは違いだいぶ奥行きのあるそこにはえんじ色の絨毯が敷かれ、少しだけではあるがソファやテーブルなど生活するのに役立つものが置かれている。
    どしんと革のソファに座れば、困ったように羽京ちゃんは笑った。
    「聞きたくないなあ、それ」
    「なんか変なやつらと知り合っちゃってさあ」
    バイヤーなのよ、多分。
    先ほど見た二人の男を思い出す。背の高い男の刺し殺してきそうな目や空気だけでも関わり合いになりたくなかったのに、その男を従えている人物なんてもっと関わりたくないに決まっている。
    「聞かない選択肢はない?」
    「俺と羽京ちゃんの仲でしょ」
    ない 2506

    mochichiti

    DOODLE表紙から妄想した情報屋のあさgりのはなし
    🚀と❄️もでます
    全然終わってません かきたいとこだけ……
    様々な言語が混ざる、喧騒。目に毒なほど安っぽく輝くネオン。それらの中をすり抜けるようにして歩いては、聞こえてくる会話を頭の中に仕舞い込んだ。
    この街で生きていくための、俺の仕事だ。言葉を操って、情報を得て、事実と捏造を混ぜ込んでどうにか毎日朝陽を拝む。もう何年もこうやって生きて、そうして気づけば裏社会でも顔が知られるようになっていた。
    そうなりたかったわけではないが、これはこれでお金にも困らないし悪くない。たまーに危なそうな依頼人から仕事を受けてしまうこともあるけれど、年月を重ねる中で所謂ヤバい相手の匂いはわかるようになっていた。
    派手な色彩のベストに紫色のジャケット、首元と瞳を緑で覆った俺の格好は自分で見ても一目を集めると思う。その方が都合が良くて、だからこんなに目立つ格好をしているのだけれど。
    さわがしい街の中ではこれくらいの方がいい。このことに気がついてからはずっとこんな感じで、へらへらふらふらと"情報屋"なんてものをやっている。




    安い情報ばかりが売れた日だった。思ったよりも重たくならなかった黒い財布の中を見ながら、地下に置いている拠点を目指す。
    誰かが後をつけてきている 2563

    mochichiti

    DOODLE千ゲ 
    ライブハウススタッフのゲと高校生千のパロ

    出会ってお互いに名前を知るところまでらくがきしました 楽しかったのでゆるゆる続くかも
    別に嫌いではないが、熱狂を持っているわけではない。自ら好んで聴くような対象はいないけれど、百夜がよくかけているから知っている曲もある。その程度。


    高校からの帰り道、少し遠回りをして更に細い道を曲がった。1ヶ月準備をしてきた実験の結果が芳しくなかったので、気分転換にでもなればと思っての寄り道だ。
    休みの日だから制服でないことだけが救いだろうか、パーカーにジーンズは街に溶け込みやすい。
    通学路から数本ずれた道は、人の少ない道だった。ちょうどこの時間から開く店が多いのか、シャッターをあげたり看板を出したりと数名が店頭に出ている程度だ。
    居酒屋や個人経営の飲食店だろうか、中年の男性がぱらぱらといる中でひとり若い男が目についた。黒と白の髪の毛に、体格に合わないサイズの黒いTシャツ。赤字で書かれた英語は遠目からでは何がかいてあるの読めないが、日付の記載もあるところを見ると何かの記念のものだろうか。
    看板なのか、黒い板を出してその場で何かを書いている。
    あまり見ることのない光景に、ついふらりと近づいてしまった。
    文字が視認できる距離まで来て、書かれているアルファベットを脳内で読む。聞いたことのな 2897

    mochichiti

    DONE千ゲ マシュマロリクエスト
    「石化前からこっそりゲンの強火ファン(イベントのチケットは当たったためしがない)だった千空ちゃんと付き合っているゲンのラブラブな話」

    ラブラブ…はどこかへ飛び立ちました……
    人間誰しも夢中になるものはあるはずだ。そして、その対象が何であれ隠す必要はないと俺は思っている。勿論公に言えないような趣味であれば人目につかないようにするなど配慮は必要であるが、基本的に趣味嗜好を隠す必要はない、はずだ。
     何かに惹かれるということは当たり前のことである。であるからして、俺の石化以前からの趣味が「芸能人あさぎりゲンを見ること、ゲン著作の書籍を読むこと、グッズを集めること」などであったとしても何の問題もない。ない、はずだったのに。
    「千空ちゃん早くってば〜」
     だから早く寝てって昨日言ったのに、と頬を膨らませながら玄関先でぶつぶつと言っている人物と俺がずっとずっと応援し続けている人物が同じ場合、これは本人に気が付かれてはならない事案ではないだろうか。
     そう、俺の恋人は俺の推し。こんなのアリかよ。


     簡単に俺とメンタリストの馴れ初めを説明すると、裏切り同盟船旅諸々を経ての恋人だ。世界が復興し、純情科学少年をしてもいいんじゃないかと思っていた頃に互いが友情とも違う好意を抱いていることが発覚し、そこからトントン拍子で話は進んだ。
     そして今日、初デート、というわけだ。意気 4805

    mochichiti

    DONE千ゲ 復興後パロ
    マシュマロリクエスト「絶対自分からプロポーズしたい千空VS絶対自分からプロポーズしたいゲン」
    「いいから座れ」
    「お断りします」
     そんなやりとりを何度繰り返しただろう。二人で暮らす狭すぎず広すぎない部屋。千空ちゃんが奮発して買った大型のテレビ前に置かれたふかふかのソファに座ってぼすぼすと勢いよく隣の空いたスペースを叩いているのは俺の恋人で、いいから黙ってここに座れと何度も何度も言われている。
     何度も何度も言われては断って、それでもめげずに「いいから座れ」と繰り返してくる。いやちょっと狂気を感じるんだけど? と思ったが決して口には出さない。出したところで、テメーが座ればそれで解決すると自信満々に言ってくるのが目に見えているからだ。座るぐらいしてやればって思うかもしれないけれど、頑なに拒否し続けている俺にも相応の理由はある。
     座っている千空ちゃんの手に見えるのは、小さめの四角い箱。何は入ってるかも俺は知っている。だって何回も見せられているからね。
    「何でそんなに嫌がるんだよ」
     若干苛立った様子の千空ちゃんは空いている手の指先で自身の膝をとんとんとしている。あ〜〜〜イライラしてるねえ、だったらその箱をしまってくれればいいのに。
    「だって座ったら千空ちゃん、言うでしょ」
    「…… 4152

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