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    mochichiti

    モチです
    作品、原稿の進捗とか
    今のところdcst 千ゲのみの予定

    えっちなのはワンクッション置いてます

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    mochichiti

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    千ゲ 復興後パロ
    マシュマロリクエスト「絶対自分からプロポーズしたい千空VS絶対自分からプロポーズしたいゲン」

    「いいから座れ」
    「お断りします」
     そんなやりとりを何度繰り返しただろう。二人で暮らす狭すぎず広すぎない部屋。千空ちゃんが奮発して買った大型のテレビ前に置かれたふかふかのソファに座ってぼすぼすと勢いよく隣の空いたスペースを叩いているのは俺の恋人で、いいから黙ってここに座れと何度も何度も言われている。
     何度も何度も言われては断って、それでもめげずに「いいから座れ」と繰り返してくる。いやちょっと狂気を感じるんだけど? と思ったが決して口には出さない。出したところで、テメーが座ればそれで解決すると自信満々に言ってくるのが目に見えているからだ。座るぐらいしてやればって思うかもしれないけれど、頑なに拒否し続けている俺にも相応の理由はある。
     座っている千空ちゃんの手に見えるのは、小さめの四角い箱。何は入ってるかも俺は知っている。だって何回も見せられているからね。
    「何でそんなに嫌がるんだよ」
     若干苛立った様子の千空ちゃんは空いている手の指先で自身の膝をとんとんとしている。あ〜〜〜イライラしてるねえ、だったらその箱をしまってくれればいいのに。
    「だって座ったら千空ちゃん、言うでしょ」
    「……何を」
     この期に及んですっとぼけるつもりらしい、新進気鋭の若手天才科学者様は。そっちがその気ならこっちが言ってやる、と絶対に座ってなんてやらないという意思を込め少し離れた、そして勢いよく口を開く。
    「プロポーズするつもりなんでしょ!」
     見えてるんだから、指輪! ともう何回も繰り返しているやりとりを今日も懲りずに続けるのだった。



     そもそもこの謎のプロポーズ攻防戦が始まったのは一週間前のことだった。俺が、俺の方が先に言おうとしたのだ。
     一週間前の夕飯時。珍しく帰宅の時間が合ったから一緒に買い物へ行った。俺はサングラスとニット帽で変装をして、千空ちゃんはしていなかった。何度も俺の変装グッズ使っていいよと言っているのに、頑なに「科学者が変装する必要なんてあるのかよ」と言われて常に石神千空剥き出しのままだ。
     まあともかく、そんな千空ちゃんと一緒に近くのスーパーへ買い物に行った時のこと。今日はたくさん買うからねと言ったら、打ち合わせをしたわけでもないのに迷わずカートにかごを乗せて千空ちゃんが押していく。その瞬間を見た時に、俺は思ったんだ。
     絶対に結婚する。
     絶対に俺が幸せにする。
     そう思ったら身体が勝手に動いていて、前を歩く千空ちゃんを追いかけていた。言う、言うぞ。結婚してくださいって言うんだ。
    「千空ちゃん」
    「あ?」
     何から買ったらいい、と普段冷蔵庫の中身を気にしない千空ちゃんが戸惑っている。うん、やっぱり俺がいないとだめだ。
    「千空ちゃん」
    「俺は買えねえよ」
     ううんそうじゃない。そうじゃないんだよ。あのねーーと口を開く。
    「けっこ「言うな!!!!」」
     ……え? なんて?
    「けっk「言うなって言ってんだろ」」
    ……何で俺プロポーズ未遂で止められてんの? いやいや人を騙くらかして振り回すのは俺の仕事なんだけど。
    「けっ「言 う な!!」」
     何度も何度も俺のプロポーズは重ねられて、そうして結局伝えることはできなかった。終始ソワソワと買い物を済ませた千空ちゃんと、状況が読めずに頭を悩ませる俺。買い物中の会話はほぼなく、卵が家にあといくつあるかという話題だけだったと思う。
     結婚、したくないのかなあ。いやでもこう言っちゃ何だけど俺優良物件だと思うんだよね。煙草吸わないお酒飲めないギャンブルーーはしても失敗したりしない。それに勿論、浮気もしない。いいじゃん千空ちゃん、俺と結婚して幸せになろうよ。
     俺は最後のチャンスだと、並んで歩く帰り道もう一度彼の名前を読んだ。
    「千空ちゃん」
    「ゲン」
     俺が呼んだのと同時に千空ちゃんも俺を呼ぶ。ちょうど被ってしまった声に、いつもの癖で先にどうぞと譲ってしまった。
     夕陽が俺たちを照らしている。千空ちゃんがどんな顔をしているか、橙に染まっていてよくわからない。
     真剣な声に、俺の背筋も伸びた。そしてーー。
    「ゲン、あの〜〜あれだ、俺と」
     結婚しよう、と聞こえた。頭の中をその言葉がぐるりとめぐって、意味を理解する。いやそれさっき俺が言おうとしたやつ!
    「お断りします」
    「は!?」
     反射的に出た返事だった。最愛の千空ちゃんからのプロポーズだったけれど、違うんだよ。言いたいのは俺なの。絶対に幸せにします、結婚してください指輪パカー!!!!ってやりたいのは! 俺の方なの! されるのは違うんだよ!!!今日思い立ったから指輪も持っていないけど、でも次のオフでこっそり買いに行くつもりだったんだから!!
    「テメー今なんて言った?」
     聞き間違いか、と千空ちゃんが聞き返してくる。でもね千空ちゃん、間違いじゃないんだ。俺はお断りしますって言ったんだよ。
    「……千空ちゃんと結婚するのは嬉しいけど」
    「じゃあ問題ねえじゃねえか」
     問題大有りなのである。俺が!君に!言いたいの!! と言いたいが勢いに任せて言うのではこの男を納得させることなんてできないことぐらい十分すぎるほどわかっている。だからあえて落ち着いて、俺は口を開いた。
    「俺が、千空ちゃんに、プロポーズしたいの」
     だからそれはお断り、もう一回改めて言わせて、と真っ直ぐ彼を見つめた。いやこれかっこいいんじゃない? 俺雑誌のイケメンランキング的なのでもたまに上位だったりするし、これ、ジーマーでいけるのでは?
     そんなふうに浮かれたのも一瞬、千空ちゃんは間髪入れずに「そりゃダメだ」と言う。は? と言ってしまうのは今度は俺の方だった。
    「いやいやいやいや今のはオッケーするところだったでしょジーマーで!!!!」
     うんって言って、言わなくても首を縦に振ってそれだけでいいから! けれど千空ちゃんは頑なに首を縦には振らない。何なら横に振り続けている。そんなに何度も断らずともよくないか、ねえ。ねえ。
    「俺だってプロポーズする側になりてえんだよ。俺が、テメーを幸せにしたい」
     受け取れ、とポケットから何かが出されてーーあ!!それあれだ指輪パカー!だ!! 俺がやりたいやつなんですけど!
     予想通り、千空ちゃんは少し照れくさそうな顔でそれを差し出してきた。そして、片手で蓋を開ける。
     ゴールドのリングが、陽を反射してきらりと光った。とっても綺麗で、とっても嬉しくて、でも、でもーー!!
    「お断りしまあす!!!!!!」
     勢いよく俺はその場から立ち去った。卵をぶら下げた袋を勢いよく振りながら、唖然とする千空ちゃんを残したまま。




     それからというもの顔を合わせるたびに千空ちゃんは指輪をスタンバイさせてプロポーズを仕掛けてこようとする。俺もそれを察すると逃げ出したり話題をすり替えるものだから、これはもはや戦いなのではないかと思うようになっていた。
     どちらが先にプロポーズをして、指輪を受け取ってもらうか戦争だ。ちなみに俺も次のオフの日などと言わずに即日で指輪を買いに行った。サイズが不安なので、成功後にサイズ交換可能な店にしたので安心だ。俺が選んだのもゴールドで、ちらりとしか見ていないがほぼ同じデザインのような気がする。じゃあどっちでもいいじゃんって? そう簡単な問題ではないのだ。
    毎回逃げ続けて、そうして一週間が過ぎていた。ソファに座れと言われるのを断り続けて数十分、少し距離をとってから数分。千空ちゃんが諦めたように立ち上がって、そしてーーそして、じりじりと俺に近づいてくる。
    「いいからいい加減受けとれこのインチキマジシャン!」
    「千空ちゃんの方こそ諦めて俺にプロポーズされて!」
     お互いに一歩も譲らない睨み合いは終わらない。片方が動けばもう片方もじりじりと動いて、まるでプロレスでもしているようだ。したことないけど。と、一瞬気の抜けたこと考えた俺の油断を察したのか千空ちゃんが動いた。
     これまでに見たことのない速さで間合いを詰めて、そうして俺の両手を千空ちゃんの両手が包んだ。
     真っ直ぐとこちらを見る赤い瞳がこれまでになく真剣で、どきん、と心臓が跳ねる。こ、これはバイヤー案件!!!
    「おい、ゲン」
     ほらそうやって。普段は名前でなんか呼ばないのに、こういう時ばっかり!!
     唇が重なりそうなほどの近さで見つめられて、心臓がぽろりと落ちそうだった。落ち着け俺の心拍数、下がれ俺の体温。
    「目ぇ、そらすな」
    「は、はひ……」
     ああもうだめだ、絶対あさぎりゲン口説くモードに入ってしまった千空ちゃんを止められないことくらい十分にわかっていたはずなのに!
    「テメーが首を縦に振るまで何回だって言ってやるんだから、いい加減諦めろ。いいか、言うからな」

    ――俺が、テメーを、幸せにしてやる。

     だから結婚しろ、と見つめられたまま言われては誤魔化せるものも誤魔化せない。どうにかここを切り抜ける方法は、と考えても見つかる気はしない。ああ、もう観念するしかない。
     俺はゆっくりと、首を縦に振った。俺の負けだ。そもそも勝てるはずもなかったことくらい、わかっていたけれど。
    「……仕方ないかあ。幸せにしてね、千空ちゃん」
     当たり前だ、と聞こえた途端身体が千空ちゃんの腕に包まれた。抱きしめられて、プロポーズされて、俺のやりたかったこと全部やられてしまったようだ。
     全部、やられてしまった、ようだ?
    「せせせ千空ちゃん!」
     ぎゅうと抱きしめられた腕の中で身体をよじらせた。一つどうしても足りない! この戦争の目玉だったアレが、ない!!
    「ああ? なんだよ」
    「忘れてる!大事なやつ忘れてる!」
     あの指輪パカってするやつ、と騒げば酷く楽しそうにクク、と笑う声がした。
    「あとで嫌というほどやってやるよ」
     だから今はこのままでいてくれ、なんて。そんなことを言われたらもうどうしようもない。
     おずおずと千空ちゃんの身体を抱きしめ返す。
     プロポーズ攻防戦は俺の負け。まあゴイスー幸せだからいっか、なんてことを細い腕の中で思うのだった。
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    Replies from the creator

    mochichiti

    DOODLE情報屋あさgりのはなし つづきました
    短いです
    これ書くのはちゃめちゃ楽しくてびっくりしてる
    さわがしい世界から離れて、地下への階段を下りた。表からは見えないこの道は裏社会をかじっている人間だけが知っているもの。
    剥き出しの金属音が足を進めるたびに響く。この音こそが、俺の帰宅を知らせる鐘。
    長い螺旋階段を下りて、暗闇を歩く。暗闇には橙色の電灯が灯り、布や鉄板で隠された各自の住まいが存在している。その中の一つから、童顔の男が顔をのぞかせた。
    「遅かったね」
    「あ〜〜ちょーっと色々あって」
    聞いてよ羽京ちゃん、と布をくぐればそこは俺たちが生活を営む拠点。見た目とは違いだいぶ奥行きのあるそこにはえんじ色の絨毯が敷かれ、少しだけではあるがソファやテーブルなど生活するのに役立つものが置かれている。
    どしんと革のソファに座れば、困ったように羽京ちゃんは笑った。
    「聞きたくないなあ、それ」
    「なんか変なやつらと知り合っちゃってさあ」
    バイヤーなのよ、多分。
    先ほど見た二人の男を思い出す。背の高い男の刺し殺してきそうな目や空気だけでも関わり合いになりたくなかったのに、その男を従えている人物なんてもっと関わりたくないに決まっている。
    「聞かない選択肢はない?」
    「俺と羽京ちゃんの仲でしょ」
    ない 2506

    mochichiti

    DOODLE表紙から妄想した情報屋のあさgりのはなし
    🚀と❄️もでます
    全然終わってません かきたいとこだけ……
    様々な言語が混ざる、喧騒。目に毒なほど安っぽく輝くネオン。それらの中をすり抜けるようにして歩いては、聞こえてくる会話を頭の中に仕舞い込んだ。
    この街で生きていくための、俺の仕事だ。言葉を操って、情報を得て、事実と捏造を混ぜ込んでどうにか毎日朝陽を拝む。もう何年もこうやって生きて、そうして気づけば裏社会でも顔が知られるようになっていた。
    そうなりたかったわけではないが、これはこれでお金にも困らないし悪くない。たまーに危なそうな依頼人から仕事を受けてしまうこともあるけれど、年月を重ねる中で所謂ヤバい相手の匂いはわかるようになっていた。
    派手な色彩のベストに紫色のジャケット、首元と瞳を緑で覆った俺の格好は自分で見ても一目を集めると思う。その方が都合が良くて、だからこんなに目立つ格好をしているのだけれど。
    さわがしい街の中ではこれくらいの方がいい。このことに気がついてからはずっとこんな感じで、へらへらふらふらと"情報屋"なんてものをやっている。




    安い情報ばかりが売れた日だった。思ったよりも重たくならなかった黒い財布の中を見ながら、地下に置いている拠点を目指す。
    誰かが後をつけてきている 2563

    mochichiti

    DOODLE千ゲ 
    ライブハウススタッフのゲと高校生千のパロ

    出会ってお互いに名前を知るところまでらくがきしました 楽しかったのでゆるゆる続くかも
    別に嫌いではないが、熱狂を持っているわけではない。自ら好んで聴くような対象はいないけれど、百夜がよくかけているから知っている曲もある。その程度。


    高校からの帰り道、少し遠回りをして更に細い道を曲がった。1ヶ月準備をしてきた実験の結果が芳しくなかったので、気分転換にでもなればと思っての寄り道だ。
    休みの日だから制服でないことだけが救いだろうか、パーカーにジーンズは街に溶け込みやすい。
    通学路から数本ずれた道は、人の少ない道だった。ちょうどこの時間から開く店が多いのか、シャッターをあげたり看板を出したりと数名が店頭に出ている程度だ。
    居酒屋や個人経営の飲食店だろうか、中年の男性がぱらぱらといる中でひとり若い男が目についた。黒と白の髪の毛に、体格に合わないサイズの黒いTシャツ。赤字で書かれた英語は遠目からでは何がかいてあるの読めないが、日付の記載もあるところを見ると何かの記念のものだろうか。
    看板なのか、黒い板を出してその場で何かを書いている。
    あまり見ることのない光景に、ついふらりと近づいてしまった。
    文字が視認できる距離まで来て、書かれているアルファベットを脳内で読む。聞いたことのな 2897

    mochichiti

    DONE千ゲ マシュマロリクエスト
    「石化前からこっそりゲンの強火ファン(イベントのチケットは当たったためしがない)だった千空ちゃんと付き合っているゲンのラブラブな話」

    ラブラブ…はどこかへ飛び立ちました……
    人間誰しも夢中になるものはあるはずだ。そして、その対象が何であれ隠す必要はないと俺は思っている。勿論公に言えないような趣味であれば人目につかないようにするなど配慮は必要であるが、基本的に趣味嗜好を隠す必要はない、はずだ。
     何かに惹かれるということは当たり前のことである。であるからして、俺の石化以前からの趣味が「芸能人あさぎりゲンを見ること、ゲン著作の書籍を読むこと、グッズを集めること」などであったとしても何の問題もない。ない、はずだったのに。
    「千空ちゃん早くってば〜」
     だから早く寝てって昨日言ったのに、と頬を膨らませながら玄関先でぶつぶつと言っている人物と俺がずっとずっと応援し続けている人物が同じ場合、これは本人に気が付かれてはならない事案ではないだろうか。
     そう、俺の恋人は俺の推し。こんなのアリかよ。


     簡単に俺とメンタリストの馴れ初めを説明すると、裏切り同盟船旅諸々を経ての恋人だ。世界が復興し、純情科学少年をしてもいいんじゃないかと思っていた頃に互いが友情とも違う好意を抱いていることが発覚し、そこからトントン拍子で話は進んだ。
     そして今日、初デート、というわけだ。意気 4805

    mochichiti

    DONE千ゲ 復興後パロ
    マシュマロリクエスト「絶対自分からプロポーズしたい千空VS絶対自分からプロポーズしたいゲン」
    「いいから座れ」
    「お断りします」
     そんなやりとりを何度繰り返しただろう。二人で暮らす狭すぎず広すぎない部屋。千空ちゃんが奮発して買った大型のテレビ前に置かれたふかふかのソファに座ってぼすぼすと勢いよく隣の空いたスペースを叩いているのは俺の恋人で、いいから黙ってここに座れと何度も何度も言われている。
     何度も何度も言われては断って、それでもめげずに「いいから座れ」と繰り返してくる。いやちょっと狂気を感じるんだけど? と思ったが決して口には出さない。出したところで、テメーが座ればそれで解決すると自信満々に言ってくるのが目に見えているからだ。座るぐらいしてやればって思うかもしれないけれど、頑なに拒否し続けている俺にも相応の理由はある。
     座っている千空ちゃんの手に見えるのは、小さめの四角い箱。何は入ってるかも俺は知っている。だって何回も見せられているからね。
    「何でそんなに嫌がるんだよ」
     若干苛立った様子の千空ちゃんは空いている手の指先で自身の膝をとんとんとしている。あ〜〜〜イライラしてるねえ、だったらその箱をしまってくれればいいのに。
    「だって座ったら千空ちゃん、言うでしょ」
    「…… 4152

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