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    mochichiti

    モチです
    作品、原稿の進捗とか
    今のところdcst 千ゲのみの予定

    えっちなのはワンクッション置いてます

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    mochichiti

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    情報屋あさgりのはなし つづきました
    短いです
    これ書くのはちゃめちゃ楽しくてびっくりしてる

    さわがしい世界から離れて、地下への階段を下りた。表からは見えないこの道は裏社会をかじっている人間だけが知っているもの。
    剥き出しの金属音が足を進めるたびに響く。この音こそが、俺の帰宅を知らせる鐘。
    長い螺旋階段を下りて、暗闇を歩く。暗闇には橙色の電灯が灯り、布や鉄板で隠された各自の住まいが存在している。その中の一つから、童顔の男が顔をのぞかせた。
    「遅かったね」
    「あ〜〜ちょーっと色々あって」
    聞いてよ羽京ちゃん、と布をくぐればそこは俺たちが生活を営む拠点。見た目とは違いだいぶ奥行きのあるそこにはえんじ色の絨毯が敷かれ、少しだけではあるがソファやテーブルなど生活するのに役立つものが置かれている。
    どしんと革のソファに座れば、困ったように羽京ちゃんは笑った。
    「聞きたくないなあ、それ」
    「なんか変なやつらと知り合っちゃってさあ」
    バイヤーなのよ、多分。
    先ほど見た二人の男を思い出す。背の高い男の刺し殺してきそうな目や空気だけでも関わり合いになりたくなかったのに、その男を従えている人物なんてもっと関わりたくないに決まっている。
    「聞かない選択肢はない?」
    「俺と羽京ちゃんの仲でしょ」
    ないんだね、と諦めたように言いながら隣に腰掛けた。古いソファだから、男二人が座ると痛々しく軋む。あるだけマシだけれど、壊れる前に新調しないとなあ。
    「少しだけど聞こえてたよ。金属音ーー刃物かな?落とした音とか」
    隠し持っていたナイフを地面に捨てた音だろう。だいぶ距離があったと思うが、それでも聞こえるのだからさすがは羽京ちゃん。
    「そーそー。隠し持ってたんだけどあっさりバレちゃって。捨ててきちゃった、勿体ない」
    肩を竦めれば、たくさん仕込んでるでしょ、とあっさり言い放たれる。確かにそうだけど、一つ一つ愛着があるのだ。嘘だけど。
    「あとは話し声……二人、かな?声の低さ的に二人とも細身で、大声で話すタイプじゃない」
    「ほんっと、耳ゴイスーね」
    まあね、と少し誇ったような表情を見せた。

    彼ーー羽京ちゃんとは少し前に地下で偶然出会った。俺は数年間ずっとここを根城にしているのだけれど、羽京ちゃんが現れたのは数ヶ月前。奥の狭い一画でひっそりと過ごしていた彼を俺は招き入れた。
    地下は争いが少ない。地下には地下なりの秩序があるからだ。けれど新入りには当たりの強い連中もいる。その連中は予想通り突然現れた羽京ちゃんに自身の力を見せつけようとしたが、それは儚く砕け散った。ふわりとした軽い身のこなしで、羽京ちゃんは伸びてくる腕を全てかわす。致命傷にならない程度の拳を入れたり、少し離れた場所からはモデルガンで額を撃ったり。
    連中は考えたと思う。モデルガンが実弾だったら、死んでいた。敵う相手ではない、なんてことを。
    それを見てしまっては、彼を野放しにしておく理由がなくなった。何かが起きて敵に回る前に、近くで生活をすればいい。
    幸い俺は口が達者で、羽京ちゃんも達者な俺に言いくるめられていることはわかっていただろうけどそれでも俺の目の届く範囲に住むことを承諾してくれた。
    出された条件はひとつだけ。人を殺さないこと。
    「それが可能ならここにいるよ。どう?」
    簡単だった。俺が自分で手を下すことはこれまでもこれからもありえない。
    「問題ないよ、交渉成立。シクヨロ〜羽京ちゃん」
    手を差し出して、握手を交わした。俺がうっかり誤った情報を流したりして、結果として誰かが命を落とすことはあるかもしれない。けどそれって、俺のせいじゃあないもんね。
    とにかくそんなわけで、俺は地下に知人を作った。情報を介する客ではない人間と近くで生活するのは初めてだった。
    その知人が、それで、と声をかけてくる。
    「何が面倒なの? ゲンなら口八丁でどうとでもできるでしょ。お客さんにすればよかったのに」
    珍しい、と言いながら飲み口の欠けた湯飲みでお湯を啜った。欠けているが一部なのでまだ使える、だそうだ。
    「リームーリームー!この辺りの人間じゃあないと思う。……取引場所の情報を教えろって聞かれた。大事な情報だからね、言わなかったよ」
    「断ったら、力尽くで聞き出そうとしてきた?」
    だから面倒? と問われて首を横にする。もしあの場であの男たちが力に任せて俺を喋らせようとしていたら、多分俺は今この場にいない。
    「ちょ〜っと危なそうだったからとりあえず凌いだって感じ。俺は情報屋だから、俺の欲しいものを持っておいでって」
    欲しいものなんかないけど、と付け加えれば羽京ちゃんは目を丸くして再度呆れたように言った。
    「騙してきたってこと?」
    「人聞きが悪いなあ。騙したんじゃないよ、答えのないクイズをだしてきただけ」
    飄々と言ってのければ、騙したってことだよ、と険しい声。
    「ゲン、君は賢いからわかってると思うけどーー」
    「絶対また来るよねえ」
    「……僕を巻き込まないで欲しいんだけど」
    それは難しいかも、という意味をこめてにっこりと笑った。営業用の、人当たりの良い笑顔。
    それを見て俺の狙いを悟ったのか、羽京ちゃんは心底嫌そうに顔を歪める。
    「俺が殺されないように、ね」
    シクヨロ、と明るく声をかければ、ゲンなんか知らないよ、と不穏な言葉が飛んできた。
    答えを考えなきゃなあ、なんだろ。俺が欲しいものって。


    「ーー千空クン、追いかけなくていいんですか」
    まだ間に合いますけど。そんな声が背後から届く。
    ひらひらと手を振ってまるで欺くかのように俺たちの前から姿を消した情報屋は、予想通り"知っている"ようだ。
    「あ〜放っとけ。少し考えてから動きたい」
    思ったより頭の回りそうな、胡散臭い男の顔を思い出すと愉快そうな笑いが溢れた。
    アレを攻略するのは、だいぶ面白そうだ。
    「……頭でも打ちました?」
    「んなこたねえよ。ーー行くぞ」
    はぁ、という気怠そうな声とともに氷月が後ろを歩く。
    真っ暗闇の夜の空と、聞こえてくる暗闇にそぐわない複数の賑わいに包まれながら雑踏に紛れる。
    派手なネオンの色が、あの男の緑に見えた。
    さあて、どうやってクリアしてやろうか。
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    mochichiti

    DOODLE情報屋あさgりのはなし つづきました
    短いです
    これ書くのはちゃめちゃ楽しくてびっくりしてる
    さわがしい世界から離れて、地下への階段を下りた。表からは見えないこの道は裏社会をかじっている人間だけが知っているもの。
    剥き出しの金属音が足を進めるたびに響く。この音こそが、俺の帰宅を知らせる鐘。
    長い螺旋階段を下りて、暗闇を歩く。暗闇には橙色の電灯が灯り、布や鉄板で隠された各自の住まいが存在している。その中の一つから、童顔の男が顔をのぞかせた。
    「遅かったね」
    「あ〜〜ちょーっと色々あって」
    聞いてよ羽京ちゃん、と布をくぐればそこは俺たちが生活を営む拠点。見た目とは違いだいぶ奥行きのあるそこにはえんじ色の絨毯が敷かれ、少しだけではあるがソファやテーブルなど生活するのに役立つものが置かれている。
    どしんと革のソファに座れば、困ったように羽京ちゃんは笑った。
    「聞きたくないなあ、それ」
    「なんか変なやつらと知り合っちゃってさあ」
    バイヤーなのよ、多分。
    先ほど見た二人の男を思い出す。背の高い男の刺し殺してきそうな目や空気だけでも関わり合いになりたくなかったのに、その男を従えている人物なんてもっと関わりたくないに決まっている。
    「聞かない選択肢はない?」
    「俺と羽京ちゃんの仲でしょ」
    ない 2506

    mochichiti

    DOODLE表紙から妄想した情報屋のあさgりのはなし
    🚀と❄️もでます
    全然終わってません かきたいとこだけ……
    様々な言語が混ざる、喧騒。目に毒なほど安っぽく輝くネオン。それらの中をすり抜けるようにして歩いては、聞こえてくる会話を頭の中に仕舞い込んだ。
    この街で生きていくための、俺の仕事だ。言葉を操って、情報を得て、事実と捏造を混ぜ込んでどうにか毎日朝陽を拝む。もう何年もこうやって生きて、そうして気づけば裏社会でも顔が知られるようになっていた。
    そうなりたかったわけではないが、これはこれでお金にも困らないし悪くない。たまーに危なそうな依頼人から仕事を受けてしまうこともあるけれど、年月を重ねる中で所謂ヤバい相手の匂いはわかるようになっていた。
    派手な色彩のベストに紫色のジャケット、首元と瞳を緑で覆った俺の格好は自分で見ても一目を集めると思う。その方が都合が良くて、だからこんなに目立つ格好をしているのだけれど。
    さわがしい街の中ではこれくらいの方がいい。このことに気がついてからはずっとこんな感じで、へらへらふらふらと"情報屋"なんてものをやっている。




    安い情報ばかりが売れた日だった。思ったよりも重たくならなかった黒い財布の中を見ながら、地下に置いている拠点を目指す。
    誰かが後をつけてきている 2563

    mochichiti

    DOODLE千ゲ 
    ライブハウススタッフのゲと高校生千のパロ

    出会ってお互いに名前を知るところまでらくがきしました 楽しかったのでゆるゆる続くかも
    別に嫌いではないが、熱狂を持っているわけではない。自ら好んで聴くような対象はいないけれど、百夜がよくかけているから知っている曲もある。その程度。


    高校からの帰り道、少し遠回りをして更に細い道を曲がった。1ヶ月準備をしてきた実験の結果が芳しくなかったので、気分転換にでもなればと思っての寄り道だ。
    休みの日だから制服でないことだけが救いだろうか、パーカーにジーンズは街に溶け込みやすい。
    通学路から数本ずれた道は、人の少ない道だった。ちょうどこの時間から開く店が多いのか、シャッターをあげたり看板を出したりと数名が店頭に出ている程度だ。
    居酒屋や個人経営の飲食店だろうか、中年の男性がぱらぱらといる中でひとり若い男が目についた。黒と白の髪の毛に、体格に合わないサイズの黒いTシャツ。赤字で書かれた英語は遠目からでは何がかいてあるの読めないが、日付の記載もあるところを見ると何かの記念のものだろうか。
    看板なのか、黒い板を出してその場で何かを書いている。
    あまり見ることのない光景に、ついふらりと近づいてしまった。
    文字が視認できる距離まで来て、書かれているアルファベットを脳内で読む。聞いたことのな 2897

    mochichiti

    DONE千ゲ マシュマロリクエスト
    「石化前からこっそりゲンの強火ファン(イベントのチケットは当たったためしがない)だった千空ちゃんと付き合っているゲンのラブラブな話」

    ラブラブ…はどこかへ飛び立ちました……
    人間誰しも夢中になるものはあるはずだ。そして、その対象が何であれ隠す必要はないと俺は思っている。勿論公に言えないような趣味であれば人目につかないようにするなど配慮は必要であるが、基本的に趣味嗜好を隠す必要はない、はずだ。
     何かに惹かれるということは当たり前のことである。であるからして、俺の石化以前からの趣味が「芸能人あさぎりゲンを見ること、ゲン著作の書籍を読むこと、グッズを集めること」などであったとしても何の問題もない。ない、はずだったのに。
    「千空ちゃん早くってば〜」
     だから早く寝てって昨日言ったのに、と頬を膨らませながら玄関先でぶつぶつと言っている人物と俺がずっとずっと応援し続けている人物が同じ場合、これは本人に気が付かれてはならない事案ではないだろうか。
     そう、俺の恋人は俺の推し。こんなのアリかよ。


     簡単に俺とメンタリストの馴れ初めを説明すると、裏切り同盟船旅諸々を経ての恋人だ。世界が復興し、純情科学少年をしてもいいんじゃないかと思っていた頃に互いが友情とも違う好意を抱いていることが発覚し、そこからトントン拍子で話は進んだ。
     そして今日、初デート、というわけだ。意気 4805

    mochichiti

    DONE千ゲ 復興後パロ
    マシュマロリクエスト「絶対自分からプロポーズしたい千空VS絶対自分からプロポーズしたいゲン」
    「いいから座れ」
    「お断りします」
     そんなやりとりを何度繰り返しただろう。二人で暮らす狭すぎず広すぎない部屋。千空ちゃんが奮発して買った大型のテレビ前に置かれたふかふかのソファに座ってぼすぼすと勢いよく隣の空いたスペースを叩いているのは俺の恋人で、いいから黙ってここに座れと何度も何度も言われている。
     何度も何度も言われては断って、それでもめげずに「いいから座れ」と繰り返してくる。いやちょっと狂気を感じるんだけど? と思ったが決して口には出さない。出したところで、テメーが座ればそれで解決すると自信満々に言ってくるのが目に見えているからだ。座るぐらいしてやればって思うかもしれないけれど、頑なに拒否し続けている俺にも相応の理由はある。
     座っている千空ちゃんの手に見えるのは、小さめの四角い箱。何は入ってるかも俺は知っている。だって何回も見せられているからね。
    「何でそんなに嫌がるんだよ」
     若干苛立った様子の千空ちゃんは空いている手の指先で自身の膝をとんとんとしている。あ〜〜〜イライラしてるねえ、だったらその箱をしまってくれればいいのに。
    「だって座ったら千空ちゃん、言うでしょ」
    「…… 4152

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