カナリアのニブルス ペティナイフで野菜の皮を剥きこまかに切っていく様を、先程から酒を片手にカウンターを横から覗いている男がじっと見ている。ちらと横目に視線を向ければぱちりと目が合い、金の眼がンフフ、と笑った。
「何見てんだよ、ドラルク」
「んー、君が料理してるとこ見るの、結構好きなんだよな」
「普段は見に来ねえだろうが」
「ジョンとそっちで遊んでろって追い出すだろうが」
そりゃまあせっかくのくつろぎタイム、使い魔との時間を邪魔をしているというのにこっちにいろとは言えないだろう、とふ、と小さく溜息を吐いて、ロナルドは細く切ったパプリカを避けた。吸対隊長はく、と手にしていたグラスを傾ける。ぺろりと赤い舌が唇を舐め、こいつ酔わないっつってたのに今日はなんだか酔ってるな、とロナルドは内心で思う。
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