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    tooi94

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    隊長の好きな色

    #ロナドラ
    Rona x Dra

    青い目の吸血鬼ドラルクの好きな色、黒と赤、青と紫、そしてかわいいマジロの色。

    マジロ色は仕方がない。この完全なるマジロ色は世界でただ一つの丸だけが保有する色だからだ。

    ロナルドくんの眼は赤い。爪も赤い。服装は畏怖い吸血鬼らしく黒尽くめだ。

    紫は赤と青の間の色なので一旦置いて、だからつまり青さえあれば、ドラ公の好きな色コンプリートだ。

    「それで君、眼を青くしちゃったのか」
    「おう! うまく染まっただろ!」
    「…確かにきれいな青色だけども」
    ドラルクが手を伸ばして、ロナルドの頬に触れる。細くて低い温度がこそばゆくて、ロナルドはえへへと笑った。ドラルクの金色の虹彩が近くでよく見えるのが嬉しい。

    「爪を青にしようとは考えなかったのか」
    「爪はお前も赤にしてるじゃん」
    頬に触れるドラルクな手に自分の手を重ねて、爪先を撫でる。
    せっかく意図もせずお揃いにできていたところなので、これはこのままがいいとロナルドくんは思った。
    だから眼だ。好きな色がたくさんあれば、その分こっちをみてくれるはずなのだ。

    しかしドラルクは、馬鹿だなあ、と言った。
    「赤い目なんて、高等吸血鬼の特徴の一つだろうに」
    「でも髪が青いのはカッコ悪…いやちょっと面白い?」
    「やめとけ」
    ドラルクの指先がちらりとロナルドくんのまつげを掠める。眼前の指の青白さと裏腹に、一瞬翻るように見える爪先の赤が眼を焼く。胸を焦がす。冷えて凝るはずの血を燃やす。

    「馬鹿だなあ」と、ドラルクが言った。二度も言った。
    さすがにちょっとむっとしたので、ロナルドくんは文句を言おうと改めてドラルクを見た。
    馬鹿だなあ、と、ドラルクが言った。
    金色の眼が揺れる。それは苦しそうな、泣きそうな色をしていて、ロナルドくんは、自分が何かとても酷いことをしてしまったんじゃないかと気づいた。
    「ドラ公」
    よぶと、ドラルクは目を細めて笑ってくれた。ああ。

    取り返しがつかない。
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    nemurinekomaru

    PROGRESSロナドラ♀里帰り出産の続きです。ノスのお城に着きました。
    ちょっと短めですが、続きのノス視点はそれなりに長めです。
    というかノスの名前のスペルが分からなくてちょっと困ってます。
    冷えた指先とチェリーボーイ Draluc ノースディンの城に着いた途端、あまりの冷気にまず足の先から砂になった。まだ形にもなっていないロナルド君との赤ちゃんにどんな影響が出てしまうのか分からず、根性でどうにか手足だけに留めていればしっかりと暖房の効いた部屋に連れていかれ、ベッドに上に降ろされた。まあ、幼い私が少しでも死ぬようなことがあれば同じように殊更丁寧に扱われていたので、少しの懐かしさを感じてしまう。
    「……少し、待っていなさい」
     普段よりずっと固い声がそう言って扉を開けて部屋から出て行ってしまった。扉が閉まるまでのほんの僅かな時間であったのに冷たい空気が廊下から流れ込んできてしまい、それに驚いて耳の先が少し砂になってしまった。
     私を置いていったあの人はとにかく不機嫌だったのだろう。部屋を出る前はとにかく無言で、私を寒さで死なせないために事前に用意していたらしい毛布で私を包んでから、真っ白いそれなりの大きさのテディベアを私に抱かせていったのだ。
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