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    nerimonmon

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    没った方

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    のくたの諸々倉庫

    PROGRESSいつか、その隣で笑えたなら/ディルガイ
    「猫の王国」パロ。すけべパートは分けたいので短いですがその3。真相が明かされるよ
    「嘘、だろ……? だってお前、俺よりも少し歳取ってるじゃないか」
    「……君が、即死じゃなかったからだよ」
    「え……?」
    「……僕が知る『一度目』の君は、急凍樹の力により氷漬けになってね。聞いたことはないか? 氷漬けになった動物が、長い年月を生きたまま過ごした話を」
     知っている。知っているがゆるく首を振った。それ以上は聞きたくないとばかりに、震えるガイアにしかし──ディルックはどこまでも、平坦に言葉を続けた。
    「僕は必死に、氷を溶かしたさ。だが君の負った傷は、あまりに深すぎたんだろう。君はそのまま5年ほど眠り続けて……ついぞ目覚めることなく、命を落とした」
    「じゃあなんで、お前は」
    「……生きる、つもりだったさ。それでもいつか、君が助けた……赤毛の猫をある日見かけて、無意識のうちに追いかけた。
     そうしたら、その猫はぐったりした青い猫のそばで必死に鳴いていた。だから僕は、その猫を獣医の元まで送り届けて……さて帰ろう、と思ってからの記憶がない」
    「それで、ここにいた……って?」
    「そうだ。聞けば過労だったらしい。猫を抱えて必死に走ったのが決め手だったからと、僕はここに招かれたけれど」
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    のくたの諸々倉庫

    DONEあるいはひどく遅効性/ディルガイ 毒を、飲んだ。
    「……はは、なるほど……これはすごい、な」
     味がひどいとか喉が焼けるようだとか、そういった点からすればそれは、ディルックが嫌う酒と同じようなものだったのかもしれない。けれど自らの体内を確実に蝕む感覚に、ああこれでと目を閉じる直前。
     横たわったベッドのすぐ近く、暗闇にそっと溶けるように──そこに誰かがいるような気がした。



    「みつけたよ、にいさん」
     言われて慌てて、ディルックは顔を上げる。そうすれば大きな目を細め、笑う義弟の──とうに死んだはずのガイアが、在りし日の姿でこちらを見つめていた。
    「これでかくれんぼは僕の勝ちだね、次は何して遊ぼうか!」
     慌てて辺りを見回した。いつかのワイナリーの敷地内だった。そして視界に映る自らの手足もまだ、随分と小さい。
     ……今ならば分かる、これは夢だ。走馬灯と言ってもいいかもしれないが、あまりにもディルック自身の願望が含まれ過ぎているとも思った。
     けれど、ならば。抱えていた膝を離して立ち上がる。どうせ全て夢だと分かっているのだ、最後に楽しく過ごすのも悪くない。
     伸ばした手は存外はっきりした感覚と共に、ガイアの頬に触れる 2709