親父が休暇を取るらしい。
「地球に行くが、お前も来るか?」
「え?」
思わずそう返してしまえば、こちら以上にきょとんとした顔をされる。それが苦笑に変わる。
「お前にとっては、地球はそんなに愛着のある星ではないか。いや、サイドスペースの地球なら、馴染みがあるか?」
「ああ、いや……それぞれの宇宙として別々には考えてるけど、地球は地球だろ。……上手く言えねえけど」
こちらに理解を示そうとする考えは、誤解と言うほどではないが、そこまで深く考えたことはない。しどろもどろに返せば、ははは、と快活な笑い声で返される。この人のこういう、なんというか、さらっとしたところは、自分とは似ていないと思う。
「忙しいなら無理にお前も休めとは言わないさ。遣り甲斐も感じているようだしな。」
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