ネスひろ幻覚「聞いてよ〜!」
ビール二杯、シャンパン二本開けた辺りで気分がふわふわと向上してきた俺は隣の嬢にだる絡みを始める。
「えぇ〜?どうしたのぉ?」
前のめりになってこちらに耳を傾ける嬢。ちらりと零れそうな大きな胸につい目線をやってしまうのは男の性だろうか。
「俺が推してた嬢がいたんだけどさぁ〜彼氏持ちだったんだよね〜せっかくさぁ一億稼いで車贈ろうかなって思ってたら彼氏に車買ってもらったんでって断られたの!どう思う?酷くない?」
「一億?!」
「そ、一億。でもさぁ振られたからさらに一億稼いで二億の車俺が買って轢き殺してやろうと思ってんだよねぇ」
「轢き…………」
ヒクリ、と嬢の顔が歪む。そりゃそうだ、突然こんな話をされたんだから引くだろうな、と酔っているのにやけに冷静な頭でそう思った。
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