なぜ。どうして。
無間深淵を落ちながら洛冰河の身の内を巡るのは、生きたまま身を灼かれる苦しみでも死への恐怖でもなかった。
業火が全身を舐めるたび、白い校服が焼け焦げていく。
ぷつり。音を立てて腰につけていた佩玉が千切れた。敬愛するあのお方から賜ったものだ。大切に磨き、肌見離さず身に着けている品だった。
師尊。
炎に炙られ、目の前で白く熔けていくそれを見てはじめて涙が溢れ出した。
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