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    yukarixxx000

    @yukarixxx000
    二次創作が好きなオタク。大体男同士カプを書いてます。
    ※ポイピクにアップした作品は後日ピクシブにも投稿します。

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    kbnz。
    ネさんとzrずきんくんは似てるよねって話。

    お似合い「ネズとズルズキンって、お似合いだよな」
     ワイルドエリアでのキャンプ中、ふいにキバナが言った。何の脈絡もない言葉に、おれは思わず野菜の皮をむく手を止めた。
     隣に立つキバナを見れば、何事もなかったかのようにきのみを切り続けている。自分が唐突に奇妙な発言をしたという自覚は、まるで持っていないらしかった。
     おれは少し思案してから、キバナに倣ってカレーを作る準備を進めることにした。先程凶暴な野生ポケモンの群れとバトルをしたので、相棒たちはすっかり腹を空かせている。ストリンダーやヌメルゴンなど、しおれた顔で地面の上にのびていた。早く美味いメシを食わせてやる必要がある。
    「急に何ですか。キバナよりズルズキンの方がおれにお似合いだから、やきもち妬いてるとか言うつもりです?」
     言いながら、これは的外れな考えだろうなと思った。キバナの表情は清々しく、とても嫉妬をしているようには見えない。
     案の定、キバナは「違う違う、そうじゃねえって」と笑った。
    「ネズとズルズキンって似てるから、仲間になるのにぴったりだよな、って意味」
    「そんなに似てますかねえ、おれとズルズキン」
     おれはズルズキンに視線を向ける。ズルズキンはサダイジャといっしょに昼寝をしていた。さっきのバトルでは先頭に立ち果敢に戦ってくれたから、疲れているのだろう。群れのボスにとどめの一撃を食らわせたのだから、どう考えても本日のMVPだ。ズルズキンの皿には、カレーを多めによそってやらねばならない。
    「おれ、ズルズキンみたく、強烈なパンチを繰り出すことなんてできませんけど」
    「あー、すごかったよな、さっきのかみなりパンチ! まさに痺れるかっこよさだったぜ!」
     キバナは屈託なく笑いながら言った。きらきら輝く瞳には、純粋な賞賛が満ちている。相棒を褒められたのが嬉しくて、おれはちょっと弾んだ声で「うちのズルズキンはできる男なんでね」と答えた。
    「まあ、あいつの真価は拳よりも蹴りですけど。ローブシンのコンクリートだって砕いてみせますよ。でも、パンチにしろキックにしろ、強烈でイカしてることに違いはありません。かっこよくて頼れるヤツですよ、ほんとに」
    「うん、オレさまもそう思う」
     キバナは素直に頷いた。
    「でも、ネズとズルズキンが似てるのは、そういうところじゃなくて。仲間思いなところがそっくりだなって思ったんだ」
     ズルズキンは荒っぽい性格だが、仲間をたいへん大切にするポケモンだ。縄張りに侵入してきた外敵を集団で叩きのめすこともあると言うが、それだって仲間を守るためにやっているに違いない。
     おれのズルズキンは、その中でもひときわ仲間への愛情が強いヤツだった。ふだんはクールでそんな素振りを見せないが、他の手持ちが怪我や病気で弱っていると、守るように傍らに座り込んで動かない。おれが自分の不甲斐なさに落ち込んでいるときには、何も言わず静かに寄り添ってくれた。さっきのバトルだって、突然後ろから襲いかかられて大ダメージを食らったスカタンクを守るために、誰よりも怒って奮闘してくれたのだ。
    「さっきのバトルでも、スカタンクが傷つけられたから、すげえ怒ってたんだろ。いつもより激しい戦いぶりだったのは、きっと怒りをパワーに変えてたからだな」
     キバナも気付いていたらしい。他人のポケモンのことなのに、よく見ている。見てくれていることを、嬉しく思う。
    「ネズも、仲間思いだろ。縄張りだって大切にしてる。スパイクタウンとそこに住むひとたちのことを、すごく愛してるんだから。めちゃくちゃ愛情深いよ、オマエ」
     キバナは穏やかな表情で語る。キバナの顔にこそ、ふかぶかとした愛情がまぶされていた。
    「そんなネズだから、ズルズキンを仲間にしてるのはぴったりだな、と思ったんだ。似た者同士だよ、すごく。ネズもズルズキンも、仲間思いで、優しくてかっこいい。そういう、似てるトレーナーとポケモンが仲間になってるっていうの、素敵だなって思うわけよ、オレさまは」
     キバナの声に混じって、とんとん、とんとん、と包丁がまな板を叩く音が聞こえる。キバナは器用にも、話しながらきのみを綺麗に切っている。だが、おれの皮むきの手は止まっていた。
     中途半端に皮がむかれた野菜を握りながら、おれはキバナを見た。楽し気にきのみを切る横顔が、とても眩しく思われた。
     嬉しかった。おれが褒められたことも、ズルズキンが褒められたことも……おれとズルズキンの関係性を、キバナが尊んでくれたことも。キバナがそういう感性を持つ人間であるということこそ、とびきり素敵だと感じられた。
    「キバナ」
    「うん?」
    「おれはいまとても機嫌が良いので、おまえのカレーはおれが手ずからよそってやります。超大盛にしてやる」
    「えっ、マジで。何で」
     キバナは目を丸くする。ちょっと間抜けな顔だが、愛嬌があって悪くない。
    「相棒と似てるって褒められて浮かれないトレーナー、います?」
    「あー……いやでも、いまのは別に、他意があったわけじゃなくて……」
    「わかってます。だからこそおれはゴキゲンになったんですよ。つべこべ言わず、おれの好意を黙って受け取りやがれ」
     キバナは、はあい、と子どもみたいな返事をした。おれはよしよしと頷くと、野菜の皮むきを再開する。
     ズルズキンや他のポケモンたちだけでなく、キバナのためにも、美味いカレーを作ってやりたい。おれの持ち得る限りの愛情をこれでもかと詰めこんで、最高のカレーにしてやろうと、そう決意した。
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