ベ白「お前もなんかお洒落しねぇの?」
「急に何だ?」
小難しい分厚い医学書を読んでいる白狂の横でベーベベがそう呟く。白狂は組んでいた右足を下ろすとまた左足かけ直し、訝しげに聞き返した。
「いや、さっきLOVEに会ってよ。」
そう言い吸った煙草の煙を吐いた。だからどうした、と言わんばかりに白狂は眉間にシワを寄せた。
「生憎そういったもの興味はないし、これからも無縁で生きていくつもりだ。」
「そうかてーこと言わずにさ、別に無理していまの服装かえろとかそういうこと言いたいんじゃねーよ。」
ふんっと次のページをめくる白狂にベーベベがそばによる。
「案外ピアスとか似合うんじゃねーの?」
そう言いさわさわと白狂の耳たぶをさわった。
「さわるな!」
バシッ
二人しかいない室内で音が響く。
「そうカッカッすんなって。そうだ!今度おまえに似合うピアス買ってやるよ。色は黒の方が映えるかもな。」「いらん!それに何を勝手に話を進めてる。」
触られた耳を手でおさえながら白狂は反論した。
「 特に意味はねぇよ。お前に貸しをつくりたいわけでもねーし。」 「だったらなぜ…」「たまには俺に甘えろよ。」
唐突に低い声でベーベベは呟く。そして右手をポケットから出し白狂の頭をゆっくりなでる。
「頼られて嬉しくない男はいないぜ。」「……。」
じゃあな、右手をポケットにしまうとそう言って男は部屋をでた。頭に手をおくとまだ触れられたときの温もりが残ってる気がする。