煌々と光る蛍光灯に見慣れた天井。両隣から漏れ聞こえる話し声と生活音。傍らには遠征先で買ったご当地キャラクターのストラップが付いた携帯と既に読み終わった先週号のジャンプが乱雑に投げ置かれている。
別に可笑しいところなんてない、いつもと何も変わらない風景。
ただ一つ、若利くんに押し倒されてるってこと以外は。
どういう状況コレ。なんで俺押し倒されんの?
置かれた状況を理解しようと脳みそをフル稼働させるけど、空回りするばかりでなんの役に立たない。ただわかるのは俺を押し倒した張本人である若利くんがちょっと、いやかなりご立腹だということだ。
鷲のような凄い眼つき、不機嫌をありありと滲ませた口元。ピリつく空気に自然と背筋が伸びる。
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