BLUEMOON #2出会ったが運の尽き「もう行ってしまうのか」
「はい。」
「そうか、寂しくなるな。」
次の日、リュウは荷物をまとめて出ていく準備をしていた。
そこにちょうどナギが声をかけてきた。
「5年間お世話になりました、師匠」
そうリュウがぺこりと礼を述べると、
ナギは照れくさそうに返した。
「よせやい。こっちこそ、ありがとな。
……ああそうだ。伝え忘れてたことがあった。
まずはこの近くにある蒼い月が見えたと言われている
湖のそばの街に行くといいぞ。」
「はい。では、僕はこれで。」
「ああ。また会おうな、リュウ。」
これからリュウの旅が始まった。
少しずつ小さくなってゆく背中を、
ナギは寂しそうに見つめていた。
「蒼い月が見えた湖、か……。
師匠の言うこと、本当なのかな」
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