現パロネブヘレ ピアス開ける話(仮)「うわっ」
ネブカドネザルはらしくない大声を出した。明日早いの忘れてた、などとぼやきつつ、脱衣所に入れ違いで入ってきたヘレルを見ての反応である。
実は彼らは些細なことで喧嘩中だった。こういう場合のネブカドネザルの持ち前の頑固さといったら凄まじい。絶対に自分から口をきいてやるものかという意志は鋼鉄を通り越してタングステン級だ。だから、喧嘩の後に最初にアクションを起こすのは決まってヘレルのほうなのだった。
そんなこんなで二十年近く生きてきたものだから、ヘレルの反応は幾分か遅れた。はっとしてネブカドネザルを振り向くも、目線は合わない。しかし、いっぱいに見開かれた瞳は間違いなくヘレルに──というよりも、その上半身と下半身の境に向けられている。
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