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    描けるのかどうかはともかく忘れないうちに書き留めておきたい漫画のネーム的メモ

    (未来編夫婦が再会を喜び合い、口づけを交わす所を偶然見かけたリオン。(こんな形でも......彼らが再会できた事は良かったのかもしれない)などと思いながらしんみりとした様子で夫婦を眺めていたがふとある事に気付く)
    (そういえば、僕が命を落とす少し前にディミスが口移しで僕に食事を促してくれていた記憶があるけど、あれってよく考えたら......)
    キスという行為の意味を意識しだし過去の記憶を反芻すると共にリオンは心拍数が上がる感覚をおぼえる
    「王子」
    「うわぁ!」
    いつの間にか背後にいたディミスの声に驚き、尻餅をつくも、咄嗟に夫婦にバレないよう声を潜めるリオン。
    リオンの慌てた様子と奥にいる夫婦の様子を見比べてディミスは「ああ」と低く呟き、喉で笑う。
    「(えっ!?)」
    その笑う仕草があまりにも人間臭く見た事のない表情で、再び驚くリオンの側に寄って膝をつき、リオンの顎に手を添え顔を近づけるディミス。
    これはもしかして、と羞恥の混じる表情でややオロオロとしながら身を強張らせるリオンが緊張で目を閉じた瞬間、頬に唇が触れる感触がした。
    リオンがそろそろと目を開けるのと同じくらい緩慢な動きで、リオンの顎に触れていたディミスの親指が、口づけた箇所を触れるか触れないかくらいのタッチで撫でる。
    リオンが目線を上に上げるといまいち感情の読めない表情のディミスと目が合う。
    それは感情が無いのではなく、相手に心を読ませないような意図を滲ませた表情に見えた。

    リオンは頬を真っ赤に染めながら(あれ......これもしかして僕今からかわれているのか?)と頭を混乱させた瞬間、
    「キザだねこのカラクリ人形は」
    (横から飛び込む呆れたような声、いつの間にか2人の脇にしゃがみ込んで野次馬をしていたアケハがいた)
    「アケハさん!?いつからそこに」
    「ついさっき」
    「声くらい掛けてくれませんか......」
    「へえ、声掛けてよかったのかい」
    「それは......うーん」
    (もじもじするリオンを数秒眺める二人)
    「王子」
    「は、はい!?」
    「また後程」(と、だけ言ってリオンの頭をひと撫でしてその場を後にするディミス)

    (場を離れるディミスを見送りながらしばらく無言のリオンとアケハ)

    「坊やはああいうスカした奴が好みなんだ?」
    「ディ、ディミスはスカしてなんかいません!」
    「おやそう。今のも大概だけど、 敵を屠った後なんかも随分人間臭い仕草をするよねぇ。あれはどこで覚えたのやら」
    「えっ、知りません......」
    「あんたがあいつと出会う前の事なんて全部は分からなければ、あんたが死んだ後あれが何考えていたかも知る由もない。つまりは」
    (立ち上がるアケハ)
    「わからない事だらけだ......」
    「まあ、そんなもん誰だってそうさ。逆も然りだよ」
    (アケハに手を引かれ立ち上がるリオン)
    「そうか、僕は彼の......見えていた部分すら碌に知らなかったんだ」
    「ともすれば、あんたが知らない顔を幾らでも持っているかも知れないよあの“男” せいぜい振り回されないようにする事だね」
    (それだけ言い残してリオンの頭をぽんぽんと軽く撫でた後、振り向かず手を振りながらリオンから離れていくアケハ。いつの間にか夫婦も別の場所に移動したようで、その場にポツンと一人残されるリオン)
    「う、うう......」
    (大人達にからかわれた気がして悔しげに唸りながら、行き所のない恥ずかしさで真っ赤になった顔を覆いしゃがみ込み、しばらくしてわずかに離した手の隙間から覗く表情はややムスっとしていた)
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