君はかわいい総天然色「う、わー……待って待って、かわいい、え、渚、本当にかわいい……」
「…………」
きっと今の僕の頭の上には「不服」という単語が踊っているに違いない。だってシンジ君が可愛いと言っている対象は、僕であって僕ではないから。
事の発端は、数枚の写真だった。
とあることからゼーレと碇ゲンドウの目論見が露見し、彼らはあっという間にネルフによって摘発、解体、処理されてしまった。それはもう、そうなることが運命だったとばかりに。そしてゼーレの研究施設から、僕の観察記録が見つかったと赤木博士から連絡が入ったのはそれから少ししてからのことだった。
『原本はこちらが持っておくけれど、コピーだけ渡しておきます。といってもそこまで重要な情報もないから、好きにしてちょうだい』
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