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    Mugaisan08121

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    Mugaisan08121

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    最初の出会いを書いていたけど設定を変更した結果ボツになったので供養…(本当に制作途中のものなので支離滅裂)

    🐉🐥の馴れ初め小話(ボツ)私の人生は本当に、突飛なものだと思った。

    一番風財閥に戸籍を移され、何もかもを塗り替えられ、何も知らない弟と同じ年齢の子と婚約関係を結ばれる前に逃げて、ある日突然来た謎の光で石化して、今では生き別れになってしまった弟と再び出会い文明が滅びたストーンワールドで紆余曲折を経てなんやかんやで私はここに生きている。

    そして、今目の前にいるこの男は『何も知らない弟と同じ年齢の婚約者』だ。

    「…先程は、弟が失礼しました。」
    「はっはー!俺の方こそ無粋だったな、すまない。ずっと追い求めていた奴を目の前にしたら感極まってしまった。」
    「……」
    「改めて、はじめましてだな」

    造船の為の簡素な住居に胡座で座っていた男は姿勢を正しこちらを見つめる。素朴な物でしか作られていないこの空間に男は異質なもので、男の周りだけ切り取ったかのように思える。
    男、『七海龍水』に返すように、こちらも正座を正し深くお辞儀をする。七海龍水はその姿をじっと見つめていた。

    「挨拶も終わった事だ。そろそろ白状してもらおうか?」
    「…」
    「何故逃げた。何故姿を現さなかった」
    「……」

    何年も姿を現さなかった相手に対して、普通の人間なら激昂してもおかしくない。寧ろそれが一般的な反応だというのに、七海龍水は口端を吊り上げていた。
    まるで、クイズ番組を見て正解は何だろうとわくわくしている子供のような両眼だった。
    そんな男に、弟と似たような感情がドロドロと出てきそうになったが、そんな感情は必要無いのだと頭に押し付けた。彼が答えを望んでいるなら、それに答える。それだけだ。

    「…事の発端は、七海財閥と一番風財閥の縁談が決まった時期でした。」
    「そこまで遡るのか」
    「えぇ、大事な事なので……このまま貴方と結婚をすれば将来も安泰だと一族の人達は思っていましたが、ある事件が起きました。
    それは、貴方の婚約者になる筈だった『一番風小鳥』が水難事故で亡くなった事です。」



    「このままその事実が知れ渡れば七海との関係も無くなり、年々苦しくなっていた一番風財閥の未来も無くなる。なんとしても七海財閥の力を手に入れたかった一族は…偶然名前が一緒だった私を…」

    「…大体話はわかったぜ、貴様に弟がいる事も納得した。
    すると貴様は本物の一番風財閥の令嬢ではなく養子、それも突如引き取られた、仮初の令嬢という事だな。違うか?」
    「………お話が早くて助かります。更に言うと私は母親の前夫との子供でした。離婚して一族の1人だった父と私の母は出会い、私も一番風という苗字になりました。なので私に一族の血は一切流れていません。弟は現在の父と母との子なので寧ろ弟の方が血は強いです」


    「…そういう事か」
    「貴方にも七海財閥にもご迷惑をおかけしました。申し訳ございません、婚約関係も…といってもこの世界では家柄も約束も無いに等しいものですが、一応形だけでもという事で」
    「あぁ、婚約するぞ。」
    「無かったことに…えっ?」

    「あ、あの、何で…?」





    「俺がそんな事で諦めると思うか?数年、いや数千年も貴様を追い求めた俺がだぞ?」
    「す、数千年って…」
    「石化中、俺はずっと意識を保っていた」
    「!?」
    「流石に死を覚悟したがな!意識がある以上まだ俺は死んでいない、となれば俺に出来る最善策は復活するその日まで意識を保つ事だと思った」
    「……なんて人なの貴方…!?」


    「その最中で俺は再び世界の全てを手に入れる事だけを考えていた。そして旧世界で手に入らなかったもの…」
    「ひっ…」
    「小鳥。貴様を手に入れる事もな」

    「俺は世界一の欲しがりだ。金も、富も、名声も、職人『創儀也鴉』としての才能も、愛する家族と今生の別れになってでも自由を欲した『一番風小鳥』も、全て欲しい。」
    「あ、あの…やめて…」
    「数十年の差が何だ?破滅とか何とか言っていたが俺が一度手に入れた物をそう易々と手放すと思うか?」
    「顔が…近くて…怖い…」
    「仮に貴様と俺が天地がひっくり返るような喧嘩をしたとしても地の果てまで追いかけ回し手放すつもりはないから安心しておけ。数千年の鬼ごっこが可愛く見える程にな」
    「人の話を…聞いてください…」
    「手に入れるぜ。貴様の心も身体も」
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