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    年末に書いたこたつでまったりする現パロ猗窩煉です。完結の予定がないけどみかん食う猗窩煉見て欲しいのでアップします。めちゃめちゃ中途半端に終わってます。

    #猗窩煉
    #現パロ
    parodyingTheReality

    年の暮れ、午後3時頃。ストーブで十分に温まった居間の中央に置かれたこたつに、2人は向かい合って座っていた。

    年末の特番をぼんやりと眺めながら、特に内容の無い会話を繰り返して時が過ぎて行く。時折微睡んでは意識を取り戻して、またテレビを眺める。

    そんな穏やかで何気ない日常が何よりの非日常だった。だからこそ、こうして時間を消費してしまうことがどこか惜しくも感じる。

    何か仕掛けてやりたくて、猗窩座は突然こたつから這い出て立ち上がった。
    杏寿郎は相変わらずテレビで流れているお笑い番組に時々ふふ、と笑い声を漏らしながら眠そうに目をこすっていた。

    動かないとわかると、この場で仕掛けてやるしかなくなる。杏寿郎が座って潜り込んでいる横にわざわざ並んで座った。

    「……何をしてるんだ」

    「何がだ」

    欠伸をひとつしながら、狭い、と身を寄せるが、それを好機とばかりに体をねじ込んで居座る。

    「……なんでこっちに来るんだ」

    「この方が温い」

    そう言いながら、ぴたりと身を寄せ合う形で同じ位置に納まる。足元だけでなく、密着したところから広がるお互いの温もりで全身が温かくなってくる。

    しばらくはそうしてぼんやり身を委ねていた。だが、やはり何かをしてやりたくて仕方がない。より体を密着させて横から抱き込んだ。

    「っ……やめろ、くすぐったい!」

    制止する手などお構い無しに、杏寿郎のうなじに顔を埋める。じわりと汗ばんでいるそこに、鼻を擦り付けるとびくりと体が揺れた。
    そこを舐めてやりたい気持ちをこらえて、そのまま身を預ける形になって静止する。

    すると杏寿郎は最初こそ抵抗していたが、少しすると諦めて目の前にあるみかんへと手を伸ばした。

    密着した体勢のまま顔を上げて、皮をむく様子を眺める。器用に皮ごと半分にして、更にもう半分。それから皮を取って、4分の1の大きさのみかんをそのまま口に放り込む。咀嚼しながら頬が膨れている姿が愛らしくて、愛おしくて、回していた手に力がこもる。

    「食べるか?」

    言葉を返すことなく口を開けると、1切れに剥かれたみかんが口に運ばれた。口内に甘みと酸味が広がる。

    もうひとつ、と催促するように口を開けると、気配でそれを感じたのか更にもう1切れ、また口を開けて要求すると、同じことが繰り返される。そうして杏寿郎が剥いたみかんのうち、4分の3を食べ切ってしまった。すぐに杏寿郎は新しいみかんへと手を伸ばす。

    杏寿郎はよく食べるから、この器に盛られたみかんは1日で食べ尽くしてしまうことだろう。
    既に先程のように器用に皮を剥いたかと思うと、また頬を膨らませていた。

    この穏やかな時間も幸せだったが、やはりここまで密着していると、堪らないものがあった。

    汗ばむ首元は少し赤く色付いていて、その朱色は耳まで続いていた。それを見て、少し意地悪をしてやりたい気分になる。

    3個目のみかんを剥き出した杏寿郎は、すっかりそちらに夢中だった。


    「!!」

    びく、と杏寿郎の体が硬直する。
    身を委ねられるのは嬉しいが、全くこちらを気にしないというのも気に食わない。少し悪戯をしてやろうという気持ちで、するりと衣服の下へ手を忍ばせて素肌を撫でた。

    しかし、杏寿郎はそれでも何事も無かったようにみかんを口に運び続けている。引き締まった腹筋の辺りを撫でても頑なにこちらに気を向けようとしない。

    腹を撫でていた手は脇腹を撫でて、下へと伸びる。

    「なっ……!」

    やっと反応を示した杏寿郎に気を良くした猗窩座は、静止する手を振り払って下半身を探るように撫で回し続ける。

    「本当に!やめろ!」

    「痛っ!!!」

    無抵抗かと思いきや、杏寿郎は思いきり猗窩座の手首を捻り上げた。

    「本当に君は…油断も隙もないな…」

    衣服を整えて、はあ、とわざと大袈裟に溜息をついてみせて、こたつから抜け出す。天板の上に溜まり始めたみかんの皮をまとめてゴミ箱へと放った。そのまま台所の方へと姿を消してしまった。

    そういう杏寿郎こそ、こういう時は流されてくれないあたり可愛げがない。

    そこまで怒らなくてもいいのにと内心猗窩座はむくれていた。普段休みのタイミングが被らない2人にとって、年末の連休は貴重だった。

    だからこそ、貴重な休みにこうしてただのんびりしているだけと言うのも、どこかもったいないような気がしていたのだ。
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    MOURNING年末に書いたこたつでまったりする現パロ猗窩煉です。完結の予定がないけどみかん食う猗窩煉見て欲しいのでアップします。めちゃめちゃ中途半端に終わってます。年の暮れ、午後3時頃。ストーブで十分に温まった居間の中央に置かれたこたつに、2人は向かい合って座っていた。

    年末の特番をぼんやりと眺めながら、特に内容の無い会話を繰り返して時が過ぎて行く。時折微睡んでは意識を取り戻して、またテレビを眺める。

    そんな穏やかで何気ない日常が何よりの非日常だった。だからこそ、こうして時間を消費してしまうことがどこか惜しくも感じる。

    何か仕掛けてやりたくて、猗窩座は突然こたつから這い出て立ち上がった。
    杏寿郎は相変わらずテレビで流れているお笑い番組に時々ふふ、と笑い声を漏らしながら眠そうに目をこすっていた。

    動かないとわかると、この場で仕掛けてやるしかなくなる。杏寿郎が座って潜り込んでいる横にわざわざ並んで座った。

    「……何をしてるんだ」

    「何がだ」

    欠伸をひとつしながら、狭い、と身を寄せるが、それを好機とばかりに体をねじ込んで居座る。

    「……なんでこっちに来るんだ」

    「この方が温い」

    そう言いながら、ぴたりと身を寄せ合う形で同じ位置に納まる。足元だけでなく、密着したところから広がるお互いの温もりで全身が温かくなってくる。

    しばらくはそう 1817

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