ふたり……?
誰かに呼ばれたような気がして、マンサクは顔を上げた。
せっかくハイラル平原まで足を伸ばしたというのに、今日は思ったようにバッタが捕まらない。よっこらしょと立ち上がり痛む腰をさすると、マンサクはツキミさんのためもう一度草むらをかき分け始めた。
カラコロカラと音がしたような気がした。
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ハテノ村に柔らかい朝の日差しが降り注ぐ。
リンクは隣でぐっすり眠る愛する人の顔を見つめながら、昨日の出来事のことを考えていた。
「俺の心はこの人だけのもの」その言葉に偽りはない。でもラッセに言った「将来を共にと誓い合った」というのはあの場の勢いだった。
将来を共に……それが何を意味するのか、それくらいわかる。ただのお付きの騎士に過ぎなかった自分が、仮にも一国の姫だった彼女と家族になるなんて許されるのだろうか。でももう既に一線を超えてしまってこんなこと考えるのは今更なのだろうか。
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