水泡の戯れ二人してドボンと川に落ちた原因はチョークに追い立てられたサガラの仕業だったけど。
濡れた髪を掻き上げる千空に見惚れていたゲンだが、服の裾をたくし上げて水を搾る姿に慌てる。太ももの半ばまで露わになったその姿は周囲に対して目の毒だ。
特にゲンにはクリティカルヒットした。
ゲンは慌てて自分の上着で千空を隠した。
「冷てぇ!何すんだ、このだメンタリスト!」
せっかく絞った服の上から、またびしょ濡れの服を巻かれて千空は不機嫌だ。
「分かってるけど、ドイヒー!」
目元に涙を滲ませてみるけれど、千空には嘘泣きがバレているので効果はない。
「だって、だって。千空ちゃんのおみ足見ていいのは俺だけなの!」
ゲンは千空の腰に腕を回している。
「何言ってんだテメェは?」
呆れながらもニヤニヤと満更でもなさそうに笑う千空。
『うちの彼氏が可愛いがすぎる!』
ゲンの心の叫びはチョークの立てた水飛沫の中に消えた。