春風が薫る春の季節。四季を一周し再び生命の息吹を感じる温かな春が訪れる。お天道さまがにこにこ微笑みを溢しているかのようにぽかぽか温かな日差しが照り付ける。こはくは空いた時間を持て余し屋上庭園にお気に入りの木の上でパソコンを手にくつろいでいた。
「ちと前までは桜が満開に咲き誇っておったんにすっかり花弁が散ってまって緑色になってもうたな」
木の枝に腰を掛けつい最近までここに桜が咲いていたのに、花は風に揺られ空を舞い踊り空を自由に飛んでいってしまった。青空が澄み渡る気持ちのいい風を感じながら、ネットの海を探索していたこはくは視界に映る雲一つない綺麗な青空を見上げる。
桜が咲いていたころは、満開の桜を見に行こうとCrazy:Bの面々と公園で盛大に花見をして今まで毛嫌いしていた桜をかけがえのない仲間たちと楽しみもう一人ではなく桜の下を仲間と共に歩けることに少しだけ嬉しかったのを思い出す。
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