哭恋の蒼(そら)お墓の前に立っているコンパス服ムウ
墓碑銘を見て
「冗談でも笑えないな…」
丘の向こうから花束を持った女性が現れる
私服マリュー
花束落とす
「ムウ!」
「マリュー?」
駆け寄ってきたマリューがムウに抱きついて泣きながら
「生きてたの?生きてたのね、帰ってきたの?」
驚いているところへ反対側から
「ねえ、やっぱり誰もいないみた、あの家には」
とやってくるコンパス服のマリュー
ムウの前にいるマリューを見て驚嘆
「?」
ムウを見上げて私服マリュー一言
「貴方は?誰」
マリューの家へ
リビング
動揺する手を押さえながら二人のお茶を出す無マリュー
「別の世界から、きたってことなのね」
「ええ」
対面に並ぶ二人を見ながら、沈んだ顔をしてから、切り替えて顔を上げる無マリュー
「C.E.75…同じだわ。だから未来ってわけでもないのね」
「そう、なるわね」
状況説明で
ヤキンの後帰って来なかったムウ
バルトフェルド達はプラントへ戻った
ユニウスセブンは落ちてない
オーブはカガリの元復興してる
キラとラクスは隠居生活を終えプラントへ
ラクス議長
4年の歳月が流れている
モルゲンレーテにそのまま勤めている
が、今は休暇中
「俺が、その、生きてる可能性は?」
「…ないわ」
「ごめんなさい詳細は、明日でも良いかしら…その話を今日できるほど、私強くないわ」
「え?」
カレンダーの日付は
C.E.75 927
「2階の客間を使って、ベッドはひつあれば良いでしょ」
リビングに二人を残し、無マリューは部屋を出て外へ行く
「俺のいない、世界、か」
28日
次の日、顔を合わせれば動揺する無マリュが視界に入るのでムウはなるべく距離を取ろうとする。
無マリュと話すのは自マリュの方に
無マリュはあまり話したくないので、と自マリュにPC端末の操作を任せ
情報を引き出せるようにする。
モルゲンレーテの残っていたAAの戦況報告書
第2次ヤキンドゥーエ攻防戦の際のデータは詳細に残っていた。
ストライクの残骸の回収とパイロットの遺体の一部を回収
と
そのデータを知ってしまって動揺する自マリュと壁を殴るムウ
「だから、彼が生きているなんて、ありえない、の。報告書を出したのは、私自身なんだから」
飛び出していくマリュを追いかける自マリュ
二人が外で泣きながら話してる姿を家の中から見ることしかできないムウ
もう少しここにいようと言いますのは自由マ、カレンダーをみて12日が近い事を指さす
「彼女、一度もあなたからhappy birthdayっていわれたこと、ないのよ」
(ここからは日数端折り、エピソードのみ)
○1
マリュー二人で一緒に料理をしたり、洗濯物をしたり
何かしら会話をしながら過ごしているのを、ムウはチラッと見ているぐらい。
キッチンの棚板の高いところが壊れているので、直してもらえないか、と無マリュにお願いされて
黙ったまま作業をするムウ
「あなたの彼、ちゃんと距離を取ってくれるのね」
無マリュに言われて、むしろ自マリュは彼とマリュを離しているわけではなく、むしろもっと話をさせてあげたい気持ちもある
「ごめんなさい、そういう意味は」
「良いのよ、それが正しいの。ちょっと眺めてるぐらいが、幻みたいで、いいわ」
ムウさんが,距離を置いてるのは無マが知らないマリュ(空白の2年間の)だから
自分が知らない彼女
○2
黙ったまま海岸に立って海を眺めてる無マリュ
それを家のベランダから見ている二人
「あれって」
「大丈夫、飛び込んだりはしないわよ」
「え?」
「あなたがいない間、私、ずっと空と海を見ていた
全てが溶け合うみたいに繋がって、宇宙にいるみたいに見えて
あなたの世界にいるみたいで
空の青
海の水色(あお)
宇宙の藍(あお)
あなたの瞳の蒼
溶けてしまいたかったのかもしれない、そのまま」
しばらくして戻ってきて
自マリュと無マリュの会話
「私もずっと海を見ていたわ、いつか、このまま眠ってしまうかも、そう思いながら」
「そうね」
「でもお腹が空いて、戻っちゃうのよね、家に」
「私も」
「何度も死のうとした」
「ええ」
「そのまま海に入ってしまえば、あの人のところに行けるって思った」
「思った」
「でも思いの外海が浅瀬なのよね、あそこ」
「そう、それに、気持ちよくて泳ぎそうになる」
「そう」
「彼が助けてくれた命だから。大事にしないと、バチがあたるわ。今はそう思ってる」
笑い合うマリュ達
扉の向こうで聞いてるムウ
○3
書斎で座ってる無マリュ、テーブルにはコーヒーが二つ
通りがかったムウに、無マリュの声が聞こえてくる
まるで誰かと話しているような
扉の隙間から見れば、一人だけ
不審に思うムウに
自マリュが
「一人にしてあげて、あなたが行ったら混乱してしまうわ」
「あれは?」
「あれはね、思い出に変える儀式みたいなもの。ひとつひとつあなたとの思い出を語って聞かせてるの、あなたの幻に」
「え?」
「思い出すのも辛い、でも思い出さないとあなたはいない。だからちょっとづつちょっとづつそれを思い出にするために声に出して語るの。楽しかったことも、辛かったことも」
「君も語ってた?」
「ええ、ずっと。同じ話でも辛くならなくなるまで、ちゃんと思い出として刻み込むまで、ね」
「…」
その場は立ち去る
だが気になって戻ってきたムウ
扉の向こうから聞こえてくる無マリュの語る思い出は全部自分の記憶の中にあるもの
ここで無マリュが自分の知ってるマリュの過去そのものだと気がついてしまうムウ。
○4
夜中に号泣する声を聞いてしまうムウ。
リビングの片隅で、無マリュはムウの制服を抱いたまま泣いている。
その後、客間に戻ったムウ
「昔、俺がアカツキで戻った後に、ノイマンに一発殴らせてください、って言われたことがあってさ」
「なんで?」
「あの時艦橋にいた全員の拳です、って。すみませんが殴らせてくださいってあの生真面目が生真面目に頭下げながら言ってきた」
「殴られたの?あなた」
「あの時、艦長の声を聞いた全員に殴られるより、俺の一発で良いですよね、ってさ」
「!」
「ひでぇなって思った。なんでだよって。まあ一発ぐらいならって、くらったけど。さっき彼女の泣き声をきいた…」
「!」
「声抑えて、それでもこぼれるぐらいに泣いてた。つらそうな声が…。きっとあの何倍も叫んだんだろ君?あの時は、さ」
「ムウ」
自マリュ泣く、ムウ抱き寄せて
「彼女には抱きしめてくれる腕も、受け止めてくれ体も、安心させてくれる声もない。俺の抜け殻の服があるだけ…」
「ムウ」
「君もあんなふうに泣いてた?俺がいない間」
無言のまま頷いてただ泣いているマリュ
○5
書斎で、窓ぎわに立っているマリュ
通りかかったムウに
ただの独り言だと思って聞いていて
あの時、私は何も貴方に返せなかった気がする。
与えてくれる優しさも、温もりも
好きも、愛してるも
たくさん言ってくれたのに、同じぐらい返せてたかしら?って
色々あって頭硬くなってて、貴方に素直に甘えることさえできてなかったわ
手を掴んでも
肩を抱かれても
恥ずかしくて
本当は嬉しくて仕方なかったのに
そんな気持ちを貴方に伝えることができなかった
寄り添えるようになったかもしれない、そう思えるようになった時には
もう、遅かったわ
あの時、なんでペンダントを持っていってしまったのか
悔やんでるわ
彼は過去の思い出になっていて、あの時はもう貴方のことで目一杯だったのに
なのに、貴方は優しく微笑んで
そんな全てを受け止めてくれて
ありがとう
もっと伝えたかった
もっと話したかった
もっと手を繋ぎたかった
もっと抱きしめて欲しかった
でもそれは、貴方もそうだったのよね、と。
だから、欲しいばかり言ってはダメなんだって、何度も繰り返してる
今も
貴方を愛したことを後悔したわ
愛さなければこんなに苦しい思いをする事にはならなかったのに、って
結局孤独に戻るなら
あのまま、何も知らずにいればよかったのに、って
でも、貴方を愛したことを忘れることなんて、できなかった
貴方との思い出のひとつひとつが、全部、宝物。
短かったけど、あの時だけが
私の生きていた時間だったのかもしれないって。
ここから、あの丘が見えるの
愛してる
そう貴方に伝えることができるようにね。
でないと、追いかけていってしまいそうになるから。
だからかな
神様が、ちょっとだけ変なご褒美をくれたのかしら
もう一度貴方に会いたい、って
何度も何度も願ったから、かしら
丘の上で出会った、あの一瞬
とっても嬉しかった、なんて言葉にしていいかわからないぐらい
幸せな瞬間だった。
今は必死で違うところを探している
貴方に傷があってよかった
でなかったら、勘違いしてしまいそうで
だからずっと顔を見ている方がいいわね。
でないと、貴方がムウだって間違えてしまいそうだから
(ここでやっと振り返るマリュ)
貴方の声が聞こえるたびに、心臓が張り裂けそう。
いつも、貴方はここに座ってるの
そして私に笑ってる。
私の名前を呼んでいる。
その声は耳にずっと残ってる。
それが聞こえちゃうと、ちょっと揺らぎそう。
だから
この部屋では喋らないで、お願い。
貴方はムウじゃない。わかってる、大丈夫よ。間違えたりはしない
なんと声をかけていいかわからないままのムウ
その沈黙を破るように
下からマリュの呼ぶ声がして会話終了
○6
ムウさんの理性が壊れる話
また、制服を抱いて泣いているんじゃないかと、気になって夜中にリビングに降りるムウ
無マはその夜は泣かずにいた
そしてムウに一度だけお願いをする
名前を呼んでほしいと。
その声に泣く無マが、自分かかつて泣かせてしまった運命マと合致することで、ムウの中で完全に無マが過去に出会ったマリューと同じその人であると。自分が帰らなかったために悲しんでいる彼女になってしまう。
そのまま無マリュを抱いてしまう夜
「ごめん、マリュー」
と呟いて部屋を閉めた後はもう理性飛んでますので
そこからことが済んで部屋に戻ると猛烈な自己嫌悪
寝ている自マですが何があったかは何となく察する
○7
2回目の逢瀬
一度だけでも、って考えた俺が甘かったのか
いや、わかってたはずだ
一度でも与えてしまった蜜の味は甘くて
彼女がそれに抗えるわけもなく
俺もまた
結局、2回目もいたしてしまう自由ムと無マ
ほとんど惹き合うみたいに部屋にもつれ込んでいたしてしまう2回目
その睦言を聞いてしまう自由マ
耳を塞いでベッドに潜り込む
○8
ひっぱたきと仲直りっくす
翌日
朝食の支度をしている無マ
やけに楽しそうに、かなり多くの料理を作っていた
こんなに楽しい朝なんて、何年ぶりかしら、一人じゃないってやっぱり嬉しいわ
思わずたくさん作っちゃったから、いっぱい召し上がって
台所にたつ無マ
支度を手伝おうと並ぶ自由マ
エプロン姿で髪を結ってた無マの首筋に見つけてしまうキスマーク
テーブルに料理を並べながら、まだ起きてこない自由ムを起こしに行こうとすると
疲れてるんだから、まだ寝かせておいてあげたら
さらっという無マ
無マには罪の意識はない。あれは夢だと思ってるから
いつか醒めてしまうのはわかっているから今だけ見させて欲しいという気持ちのまま。
外で洗濯物を干している無マを家の中から見てる二人
干しているのは真っ白なシーツ
すごく楽しそうな無マ
それを見ながらの自由ムマの会話
浮気の件を問い詰められる
ひっぱたきシーン
憐れんで抱いたの?可哀想だったから?一人したから?
それであなたの気持ちは満たされたのかもしれないけど
それが彼女にとってどれだけ残酷なことか、あなたわかってる?
あなたはこの世界のムウじゃない、彼女のムウじゃない
わかってるでしょ
わかってるよ
わかってたさ
だけど
俺にもどうしようもなかった
あんな姿の君を見て、知って、目の前にいて
俺に何もするなって
あれは私じゃない
いや、君だよ。紛れもなく
俺がいなかったあの時の君なんだ
それでも
それにだからこそわかるのよ、あの時、もしも何かの救いがあったら必死に縋ってしまう、溺れてしまう。ダメになってしまうって。
情けをかけたとしたら、それこそエゴよ。
情けなんかじゃない
なら、何?
それとも本気だったと
本気で
私のことも忘れたわけ?
ごめん、悪かった。結局君まで傷つけてるんだから、本当に、何やってるんだろうな、俺
わかってるなら、もう、しないで
わかった
やっぱり、ここにいるのは間違いだったかもしれないわね。出ていきましょう
と、家を出て行こうとする二人を止める無マ
え?出ていく
ごめんなさい、もう少しここにいようと思ってたんだけど
そう、そうよね、ごめんなさい、私のせいよね
あなたまで苦しめちゃったわね、マリュー。ごめんなさい
ずっと夢見ていたから
何度も何度も
あの人が帰ってきて私を抱きしめてくれる、って
何度も夢に見たムウの腕、声、
わかってた。夢なんだって、これは望んではいけない夢なんだって
何度も
だから
縋ってしまった
あなたにはあるんでしょ
彼からお誕生日おめでとうって、言ってくれたこと
ごめんなさい、わかってる
一緒にいたらいけないんだって、わかってる
でもお願い、もう少しだけ
もう少しだけでいいから、一緒にいて
ここにいて
夢を見させて
嘆願する彼女
日付は10月7日
無マが自分であると認めしばらく止まることにする二人
自由マ、嫉妬はしてるが静かに怒ってるし
もう二度としないと誓ったので
部屋にいるムウに
行けばいいのに、と素直にならない自由マ(嫉妬してるから)
自由ム、眠れなくて起きる
また、彼女のところに行くつもり?約束を破って
と自由マから釘を刺される
行かない、って呟いてベッドに戻る
黙ったままの自由マ
抱き寄せたら、めちゃくちゃぽかぽか叩かれながら泣かれる
バカ、浮気者、バカ、女ったらし、バカ
私だってそんなに強くないわよ
ごめん
抱いて
自由ムマの部屋の向こう、無マはそれを見ている
○9
拒否(闇堕ち)
もう触れない
もう近づかない
そう決めたはずの無マがふとムウに近づく
そこで拒否られたことで闇堕ち展開開始
○10
ヤンデレラさん薬盛りっくす
無マは催淫剤を盛って、ムウを拘束
自由マには睡眠薬朝まで起きない
ムウに抱いてと迫るが断れるが
そこですでに薬盛られているので抗えず、マリュから襲われてそのまま致してしまう
全部こうなったのは貴方のせいなんだもん
私がひとりなのも
寂しいのも、辛いのも、苦しいのも
貴方がいないから
そして
貴方がここにいるから
私を抱いたから
だから、責任とってもらなきゃ、全部、ね
逃げるの?
元々、セックスが気持ちいいものだって
教えたのは貴方でしょ?
愛し合うことがたまらないことなんだって
この体に刻み込んだのは誰?
それを思いださせたのは誰?
楽しみましょうよ、好きなだけ
もう、後戻りなんかできないんだから
貴方が全部教えたんじゃい
感じ方も達き方も
だったら責任とりましょ
無理よ
貴方のマリュは朝までぐっすりおやすみ中、声なんか聞こえないから
好きなだけ感じていいのよ
ほら、もう貴方のここははち切れそうよ
私の中に挿りたくて挿りたくて
我慢できないって、ビクビクしてる
だから
ちゃんと挿入れてあげる
(自粛中)
いい事,教えましょうか?
貴方のお墓
貴方以外もいるのよ,一緒に
小さくて,可愛くて
きっと貴方によく似ていたかもしれない子が、ひとり
だから,もう一度作りましょう
たたない人をたたせる薬だもの普通に性欲のある貴方がかなうわけないじゃない
苦しいでしょ
吐き出したいでしょ
出していいのよ、好きなだけ
さあ
貴方は
私が大好きなはずだもの
私の中に入っていたいんだもの
さあ、出して
貴方たちのセックスみて私、濡れたのよ
ひとりで慰めなきゃいけなかった気持ち、わかる?
貴方のマリューの聞いてみれば?
何回ひとりでした?って
貴方がいない間、貴方のことを思って、想像して、何回したのか?って
同じなんでしょ、私と
教えてあげましょうか?
貴方がいなかった間、私がどれだけこの体を慰めなければいけなかったのか
責任、全部、とってもらわなきゃ、ねえ、ムウ
○11
ヤンデレラさん2回戦
お祝いはいらないという無マだが自由マは何か準備したいと考える
浮かない顔のムウ
体?平気か?
ええ、特に
とりあえず、明日まで、水以外、出された物を口にするな
え?
ごめん、今は何も言えない
自マに子供がいたかどうかなどと聞けずに苦悶
無マ
全部バラしてしまえばいいのに、どんな顔をするかしら
だって、私は彼女と同じ
なら欲望だって同じもののはず。自分の醜い本性を知って悲しむ?蔑む?それとも絶望するかしら
彼女は君を心配して明日までいることを納得してるのにその恩を仇にするのか?
恩?辛さも悲しさも、彼女にはもうないのに?貴方を手にしてるのに?
少しぐらい分けてあげるって、施しを受けている側の気持ちなんてわからないんでしょうね
1回でできるわけじゃないぐらい、貴方だってわかるでしょ
さあ、もう一度、私を抱いて。
断る
そう、ならまた薬盛りましょうか?貴方にも彼女にも
間違って他の薬盛ることだってできるんだけど
これ以上彼女には手を出すな
俺が抱けばいいんだろう、君を
彼女にだけは優しいのね、私だってマリューなのに
ムウの中では無マ=マリューは緩いでない。だから苦悶
頼むからこれ以上俺に、君を憎ませないでくれ
部屋を出ていく無マ
もう遅いのだと。出会ってしまったのが運命。貴方がいるということが私を狂わせてしまったのだ、と。
○12
誕生日