ousakarn_☆quiet followDOODLEオニイチャンのピアスの話 ピアス、片方だけだよね。増やさないの?今度は何を抱えているのか知らないが、また随分と唐突だな、と思った。熱めの湯を張った湯船に顎先まで浸かりながら、その身に唯一開けられた左耳のピアスホールに触れる。開けたくて開けたわけではなかったから、数を増やそうなどと思ったことは一度もなかった。そこに残されたものを消すには穴にしてしまうのが手っ取り早いと、あの時の自分が考えついただけで。とはいえ、痕だけを消して自然と塞がるのを待つことも出来たはずのそれは、小さく開かれたままの状態を維持し続けている。(忘れられないんじゃない、忘れる気がないんだろうが)ずるずると水面と目線が交わる手前まで湯船に沈む。全身を包む湯の温度が、あの夏の日の光景を記憶の底から引きずり出してくる。ものを捨てるのは簡単だ。両親が亡くなって、生まれ持った苗字すら捨てた。それでも捨てられないものがひとつだけ、たしかにある。自分がピアスホールを塞ぐとしたら、きっとそれを捨てる日なのだろう。もっとも、そんな日が訪れるとは到底思えないが。もう誰も呼ぶことのない名前を水中に吐き出す。ぷくぷくと水面に浮かんでは消える気泡が、今はやけに疎ましく思えた。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow ousakarn_SPOILERようこそ!迷冥市役所都市伝説課へ!現行・未通過NG ousakarn_DOODLE今日のともかさん ousakarn_DOODLEポルノスナッフハルシネイト 現行未通過× ousakarn_SPOILERキルキルイキル 現行未通過× ousakarn_SPOILERキルキルイキル 現行未通過× ousakarn_SPOILERブラックボックスブレイン 現行・未通過×