おはようを君へ 夕に起き出し、好き勝手に過ごしてから深夜に君と愛し合う。じゃれあい眠った君の寝顔にキスをひとつ。静かな夜から朝の喧騒が聞こえる頃合いには、全ての準備を整えてしまう。
朝の気配が色濃く迫る、AM:03:30に私は行動を開始する。閉じられた瞼を縁取る長い銀糸に、まだ雫が乗っているのに気がついて頬が緩んだ。ただでさえ多忙な退治人と作家の兼業なのに、疲れた彼へ随分と無理をさせてしまったかもしれない。齢を二百も超えたにも関わらず、大人げないことをしたと反省の気持ちがこみ上げた。反省はしているが後悔はしていない。体力ゴリラなのにつけ込んで、好き勝手に泣かせてしまったことを申し訳ない気持ちになりながら、許されていることに安堵する。指先で雫をすくい舐め取ると、上等なキャンディを舐めている心地だ。舐め取った雫は、ほのかに甘く身に染み込むようだった。
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