責任を取りやがれ!! 水戸洋平。みとようへい。みと、よーへー。
口の中で転がすだでも、体が固くなる響きだ。その恐ろしさは細胞レベルで体に刷り込まれている。
桜木の親友で、俺の恩人で、えぇっと、そんなかんじだ。仲がいい方ではなく、むしろ俺としてはちょっと避けたいくらいで。もちろん恩義は感じているし、感謝は直接言葉でも伝えた。水戸の方も、あの凍える眼差しは何だったのかというくらい軟化した態度で接してくれて。軟化しすぎて、ちょっと困ってる。
「あ、三井さん、もう終わり?」
「おう。待たせてわりい」
「見てるの楽しいからいいよ。じゃあほら、手繋ご?」
「わ、わかった」
あの日俺をさんざ殴った手が、壊れ物でも触るように優しく包み込んでくる。視線を落としても、いつもと変わらない何を考えているのかわからない笑みだ。
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