もしも親子になれたなら「先生がパパだったら良かったのに」
ぽつり、パームくんが呟いたその言葉が、どうにも頭から離れなかった。
——その日は穏やかであった。
温かな光が溢れ、春風にふわりとカーテンがなびき、窓からはチュリネ達が並んでこうごうせいをしている姿が見えた。
ウィンディは日当たりのいい場所にどしりと寝転がり健やかな寝息をたてていたし、グラエナもまた、食後の眠気には勝てなかったのだろう。普段はピシッと背筋を伸ばし、主人である私の側でおすわりしているのだが、今ばかりは足元にその身を伏せて眠っていた。
パームくんはトレーナーズスクールが終わるとご両親の職場.....研究所に駆け足で来ては入口の椅子で私を待っているので、いつもこの時間は部屋に招いて彼と少しばかりの休憩を取るのだった。
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