はんしん 不良が時代遅れだって誰に言われても、暴走族は迷惑な存在だって決めつけられても、オレは初代黒龍の一員だったことを誇りに思う。
とはいっても、オレは下っ端も下っ端。チームがまだ五十人足らずのときに入ったのに、解散するまで肩書は変わらない平隊員。幹部と会話した回数は片手で足りるけど、総長は――真一郎君は、ちゃんとオレの名前を憶えてくれていた。
二つ年下なのにオレなんかよりずっと大人っぽくて、しゃんと伸びた背中がかっこいい人だ。
喧嘩も本当は強いはずなのに、人を本気で殴れなくていつも先に一発貰う。
そうこうしているうちに相手の勢いに押されて、気が付いたらボロボロになっている。そんな真一郎君を、オレはずっと見てきた。
2977