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    rlyeh_fish

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    rlyeh_fish

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    SJスタイルの閣下が人間擬態中のウリエルにエッチな悪戯する話。

    ##TRPG

    わざわざ女装して襲いにくるラスボスVS大天使※SJスタイルの閣下がTRPG本のウリエルに悪戯する話。
    ※織歌:TRPG話のメイン女子高生。エティエンヌことウリエルの手出しの結果悪魔変身能力者になったよ。
    責任取ってンヌは面倒見てるよ。



    ギリギリと手首が軋む。
    魔力で出来た赤いツタのような拘束具に絡めとられたそこにどれだけ男が力を籠めても、外れる気配も緩む様子もない。
    歯噛みしながら睨みつける視線の先で、金色の髪の少女がにっこりと笑った。

    身体の下にあるソファはもともと長身の男の体を受け止めるには幅が足りず、くわえて頭上に拘束された腕をアームレストに預ける姿勢になっているせいで、左脚はソファからずり落ち、右ひざをもう一方の端に引っかけるような状態である。
    そんな不安定な姿勢で押し倒された状態の男にのしかかる少女。
    傍から見ればヤンデレかSMプレイの現場であるが、合意の上でないのは下になっている男の目つきを見れば一目瞭然。

    「おやおや、怖い顔だ」

    こういう時はもう少し可愛げのある顔をするものだよ、と、少女が笑う。
    少女……少女なのだろうか、これは。
    水色のワンピースに身を包んだそのシルエットは、なんというか、貧乳というレベルを通り越しているように見えなくもない。
    つるりとしたそのラインは乳房というよりは胸板と言った方がしっくりくるような。
    物言いだって少女のそれではないような。

    「それとも、こういうシチュエーションはお嫌いかな?」

    スカートの裾をつまんで持ち上げる少女(?)を地獄の炎のような目で睨みつけて、男は忌々しげに口を開く。

    「貴様に押し倒される状況に隙も嫌いもあるものか」
    「ははは、ごもっともだ。
     大天使が堕天使の長に組み敷かれているなんて、これ以上はらわたが煮えくり返ることもそうあるまいよ」

    仮にその大天使が人に紛れて地上を歩く変わり者だとしてもね、と、少女のなりをした魔王が笑った。

    言葉の通り、組み敷かれている男は人の姿をしていても人ではない。
    一見すると精悍な体つきの青年に見えるが、その正体は天使である。
    それも冥府を統括する大天使、彼の名はウリエルといった。

    仮初の名前と姿で地上に降りて長い彼が、その経歴の中で初めて深く人間の運命にかかずらう中、この魔王と……堕天使ルシファーと顔を合わせてしまったのは一種の不運だった。
    よほど暇を持て余しているのか、それともただの気まぐれか。
    当人曰く昔の屈辱のお返しとちょっかいをかけてくるこの堕天使の思考も嗜好も、ウリエルには全くもって理解できない。
    上等なスーツに身を包んだ男の姿で現れたかと思えば、今回は女装としか思えないワンピース姿。
    そしてやっていることはといえばこれである。

    理解したくもない種類の愉悦を浮かべた上機嫌な顔が、彼を見下ろして首を傾げた。

    「おや、もう抵抗しないのか。
     物分かりがいいというか、諦めが早いというか」

    するすると冷たい掌が衣服の下に滑り込む。
    下腹から徐々に上へ、滑りながら服を捲り上げる手は微妙な接触で筋肉の隆起をたどり、ウリエルの背に不快感からくる震えを走らせた。

    「こうして大人しくしていると可愛く見えなくもないのだけれど。
     何だったら本気で抵抗してくれても私は一向に構わないんだが、健気なことだ」

    胸にたどり着いた指が見つけ出した突起物に触れる。
    れろりと舌が胸板を這い、濡れた感触が空気に触れて冷たく変わっていくのに歯を食いしばりながら、
    ウリエルは暗い部屋のドアを見た。
    リビングルームから廊下へ続くドアの向こうは静まり返り、灯りも点っていない。

    「……同居人を気にするだけの余裕はまだあるわけだ」

    その視線に気づいた堕天使もまた、そのドアの向こうに目を向けた。
    ウリエルの仮の姿、『エティエンヌ』という名を名乗る男の同居人の部屋。
    しばらく前に就寝の挨拶をしてそこへ戻った少女は、同じマンションの一室の中で起きている事を
    知らぬまま、眠っているか勉強するかしているのだろう。

    為されるがまま、プライドの高い大天使が屈辱に甘んじているのはそのためだ。
    彼が手を出したばかりに人外の異能に目覚めた身寄りのない少女。
    エティエンヌという青年が人間でないことも、今までの日常に戻れない体にしたのが彼であることも知らず、命の恩人だという一点で彼を信頼しきっている素直な人間の子。
    まだまだ無力な彼女に異変を悟られぬよう、この屈辱に巻き込まぬようにと、彼は全力での抵抗を行えずにいる。

    本来の大天使の姿をさらして戦えば、それなりの痛手は与えられよう。
    だがその代わり、少女も巻き込む。
    異能を身に着けたばかりの少女など、この堕天使の前には一本の花のように容易く踏みつぶされる存在でしかない。
    それをよく知っているがゆえに、そしてルシファーが自分でいうところの気まぐれの悪質さを知るがゆえに。
    ウリエルはただ、さっさと終わることを願いつつ耐えるだけだ。

    つ、と腹を滑る爪の先。
    もう片方の手で執拗に胸を指と舌でいたぶりながら、たどり着いた先で硬い感触がデニム生地の上端を思わせぶりに辿っていく。
    いよいよもって増してくる嫌悪感に奥歯が鳴った。
    と、その音に顔を上げた堕天使が吐息だけで笑う。

    「唇が切れているじゃあないか。
     そんなに不快か?」

    伸びあがった少女の顔がウリエルの顔に近づき、僅かに伝う血を舐め取ろうとした。
    彼が目いっぱい顔をそむけたおかげでその戯れは不発に終わったが、気を悪くした様子もなくベルトのバックルを外す。
    前立てのボタンを外し、ジッパーを降ろすだけの動きをゆっくりと行いながら、胸をいじっていた手で獲物の口元を拭う。

    濃いMAGを含んだ血。
    赤いそれを見せつけるように舐め取って、金髪の少女はずり上げた彼のインナーの裾を引っ張り上げた。

    「そう強く歯を食いしばっていては同居人にばれるだろう?」
    「……ッ!」

    あまり意味のない心配を口実に、天使の口元に布を押し込む堕天使の手。
    自分の衣服の裾を咄嗟に噛んだ彼の口元をよしよしと少女のような手が撫でる。

    「こうしていれば声を漏らす心配もないな?」

    濡れた胸板に金の髪が貼りつく。
    緩められた前立ての下、布の上から急所をなぞる手に自然と全身に力が入る。
    天使という種族柄、触れることすら考えもしなかった場所に蠢く指先。
    息をつめ、本能的な恐怖に耐える――急所に触れる手が、こんなふざけたなりをしていても仇敵のものであるという恐怖。

    胸と下半身に走るむず痒いような感触に、引き攣った声が漏れそうになるのを飲み下す。
    悪戯にそこかしこを濡らしていた舌が離れ、軽く噛みついて歯の痕を残した。
    暴れるに暴れられず、身をよじってやり過ごそうとしてもうまくいかない。
    布で遮られた場所にあった冷たい指が直に触れてくるに至って、ウリエルは必死に顔をそむけようとした。
    二の腕に顔を押し付けるような動きの意図を悟ったか、顎を掴んだ手がそれを遮る。

    「怨敵に触られているところなど見たくもないかな?」

    全く乱れていないワンピースの襟元が、さらけ出された胸板の上にのしかかる。
    少女の姿では幾分か彼より小柄なルシファーは、ウリエルの下着をずり下げながらにやりと笑った。
    いっそ丁寧で優しいといえるような手つきで今まで縁のなかった感覚を煽り立てられて、頭の芯から血が引いていくのを感じる。
    目を固く閉じ、荒くなっていく呼吸に耐え、のろのろと過ぎる時間にいらだちを覚えるウリエルの耳朶を、胸に触れていたのと同じ濡れた感触が撫でた。

    「……っ、ぐ……ぅ」

    くに、と指が胸の先をつまむ。
    軽い力をかけてそこを重点的にいじられる感触と、もう片方の手の指が絡みつく下半身の感覚。
    他のことを考えて気を散らそうと、ウリエルは時計の針を見た。
    深夜を指す時計の針が、カチ、カチ、と規則正しい音を鳴らす。
    いっそこの音に合わせて素数でも数えてやろうか。
    今なら何個でも数えていられそうな気がする。
    それとも聖典の最初から最後までを脳内で暗唱するのがいいだろうか。

    「っ!?」

    いかにしてこの時間をやり過ごすかを考え始めたウリエルだったが、不意に敏感な部分を襲った感触に
    意識を現実に引き戻された。
    掌とは違う滑らかなそれは、布?
    視線を向けると、楽しい悪戯を思いついた子供のような顔が彼を見ていた。

    「な、にを……!」
    「直接触られるのはお気に召さないようだったからな。
     ちょっと趣向を凝らしてみただけだよ」

    布を咥えていた口から咄嗟に出た言葉を、あっさりとした答えが遮った。
    その向こうでふわりと揺れる水色の布。
    持ち上げたワンピースの裾が、先ほどまでルシファーの手が直接包んでいた場所に被せられている。

    布越しに絡みついた指が仕事を再開する。
    繊維が擦れる、摩擦で生まれた熱が体の中にこもる熱と一緒くたになる。

    「く……っ!」

    不慣れな性的接触。
    うまく意識をそらせないまま、背筋に走る震えと熱に歯を食いしばる。
    聞かせるように音を立てて胸の先に吸いつくルシファーの唇に、得体のしれない怖気が走ったような気がした。

    「ふ、……うっ、ぁ……!」

    仰け反るようにして顔をそらす。
    下腹が濡れる感触。
    全身が痙攣するほどの緊張のあとに残るひどい脱力感と弛緩した体。
    羞恥と屈辱、そして余波のように残る熱で顔が熱い。

    「ふふ、スカートが汚れてしまったじゃないか」

    満足そうに笑ってスカートの裾を見ながら体を起こしたルシファーは、
    かわいらしいカバーの付いたティッシュの箱に手を伸ばす。
    適当に汚れた部分を拭うと、パチンと指を一つ弾いて紙を燃やしてしまった。

    悠然と、いつもの底知れぬ笑みを浮かべた堕天使は拘束した天使の胸元に肘をついた。
    両手でその顔を捕え、こつりと額と額を触れさせる。

    「今日はこのぐらいにしておいてあげよう。
     ……また遊びにくるからね」
    「二度と来るな」
    「おやつれない」

    ちゅ、と頬に唇が触れる。
    少女の真似事で狂気の沙汰を締め括り、堕天使は灯りの落ちた部屋の中を後ろ足に下がっていく。
    カーテン越しの街灯の明かりさえ届かない暗がりに融けるようにルシファーの姿が消え去ると同時、ウリエルの手を拘束していた枷が消えた。

    比較的ダメージの軽かった身体を起こし、前髪をかき上げる。
    屈辱と怒りに内心を燃やす一方同居人に気付かれなかったことに安堵しながら、周囲の穢れを炎で焼いた。

    ……シャワーでも浴びよう。
    慣れない日本式の風呂はまだ湯が張ってある。
    潤沢に水を使って身を清められることを、これほどうれしく思うこともなかった。



    翌朝。

    「エティエンヌさん」
    「どうした?」

    ひょこりと廊下からリビングを覗いた少女が、不思議そうな目でウリエルを見た。

    「お風呂のお湯、抜いちゃいました?」
    「……ああ、すまない。
     うっかりしていた」

    昨夜の一件をあずかり知らぬ少女の問いに蘇る昨夜の記憶に一瞬顔をしかめつつも、平静を保って彼はそう返した。
    恥辱の痕跡を清めたあと、湯船に浸かってしばらくすごした。
    一度沸かし直した湯が冷めるまで、ひたすら精神を鎮め、怒りを追いやるために。
    何もかもを洗い流すつもりで残り湯も流してしまったのだが、洗濯に使うつもりでいた少女はそんな経緯を知る由もない。
    無論知らせる必要もないことだと、『ただのうっかり』だということにして詫びる。

    「じゃあ、今日は普通のお水で洗濯しちゃいますね」

    引っ込んだ少女の足音が遠ざかり、電子音がする。
    日常生活そのものの音。
    昨夜このリビングルームで起きたことには気付いていないらしい様子に安堵の息が漏れる。

    自分が平穏な日常を奪い去った少女に、おぞましい現場を見せずにすんだ。
    堕天使の戯れに巻き込まずに済んだ。

    どれだけささやかなことだったとしても、耐えた屈辱はそれだけで報われる気がした。

    「……織歌」
    「はい」

    向かい合って食事をとりながら、少女の名を呼ぶ。

    「今日は6限だったな」
    「はい。
     もし補習があったらメールします」
    「分かった。
     何かあったら連絡を入れるようにな」

    ままごとじみた会話だと、ふと思った。
    織歌が異能を使いこなすためのの訓練中だということを考えなければ、親子のようなやりとりだ。
    ただ責任を取るために、期間限定で始めた共同生活。
    それなのに、と。

    (本当に、今までにないほど深入りしている)

    何もないまま終わればいい。
    織歌が自分で自分を守れるだけの力を身に着けるまで、何事もなく。

    そう胸の内で祈りながら、ウリエルは学校へと向かう織歌を見送るのだった。
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