七海の出戻りが解釈違いな元カノの話 2『七海が毎日高専に来てるんだよねぇ』
「……ふーん」
『休日だって顔を出して毎日毎日誰かさんのことをハチ公みたいに待ってるよ。未練タラタラだねぇ』
「だから何」
『おー、機嫌悪う』
「わざわざ電話で言う?」
『来なくなったんだから電話しかないでしょ?ん?そういえば来なくなった時期って七海が来始めた時期と一致してるけど……ハッ!まさか七海が待ってる人って……』
「うるさい」
白々しい推理を披露する同期の電話をブツ切りして深くて長い溜息を吐いた。
七海と顔を合わせたくなくて、結局あれ以来一度も高専に足を運んでいない。悟の言うことが真実だとしたら、それはそれで結局腹が立つ。未練タラタラなくらいどうだって言うんだ。絶対にあの時の私の方が未練タラタラだったし、生死に関わるレベルでメンタルに支障をきたしていた。休みの日まで顔を出している?暇すぎるんじゃないのか。今度高専に用があるから七海が休みの日に行こうと思っていたのに、どうしたらいいんだろう。……次遭遇してしまった時に、ガツンと言えばなんとかなるのかも。いや、でも結構ハッキリ言ったと思うんだけど。
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