大好きな君でいて欲しいもう二度と会えないと思っていた初恋の人と再会して、衝動的に告白をして受け入れて貰えたその日、俺はユウを茨の谷に連れて帰った。最初は行き成り茨の谷に呼ぶのはと思っていたのだが、話の流れでユウは相も変わらずあの白い空間で生活していると聞いて駄目元で「茨の谷に来るか?」と誘ったらあっさりと二つ返事を貰えて俺の方が驚いてしまった。本人の気持ちが変わらない内にと茨の谷に戻る事にした。
母校に行ったはずの俺が女性を連れて帰ってきた事でマレウス様が治める城が一瞬騒がしくなったが、マレウス様のご配慮で人払いがされた。
「───マレフィシア?」
「それはおばあ様だ」
マレウス様を見たユウの一言目がそれだった為、親父殿は爆笑、セベクは怒るというカオス空間になったが、その張本人は特に気にしていないのか呑気に「あの子結婚できたのか」などと呟いていた。ここにきてユウの友好関係が少しだけ気になってしまった。
5157