頭がふわふわする。
オーターさんから食べて構わないと預かったお菓子を、先程糖分補給の為1つ食べた後から様子がおかしい。
頭がボーっとして、顔も赤い。それに眠気もあった。
「ん…」
このまま勉強しても意味が無いと判断した俺は、オーターさんの家へ向かった。
今日はあの人の家でご飯を食べる約束があった。
頭はふわふわしているが、こんな事であの人との約束をすっぽかすのは嫌だった。
少し足もふらついていたが、俺はオーターさんの家へと向かった。
「おーたーさん…いるか」
俺は扉を叩き、家主を待った。
するとカチャリと扉が開き、オーターさんが出てきた。
「ん?ランス、顔が赤いぞ」
俺はオーターさんに連れられリビングのソファーへと腰を下ろす。
俺の顔が赤いのが心配なのか、オーターさんは俺の額に手を当てる。
「…熱は無さそうだな」
オーターさんの手が、冷たくて気持ちいい。
俺は額に当てられたオーターさんの手を取り、そのまま自分の頬へ当てる。
「ん…きもちいい」
オーターさんは俺の行動にびっくりしたのか、目を見開いていた。
もっとオーターさんに触れたくて、俺はこの人の首元に顔を寄せる。
落ち着く。オーターさんの香りだ。
そのままグリグリと頭を押し付ける。
「ラ、ンス…お前今日変だぞ」
オーターさんが俺の肩を掴み引き剥がされた。
俺が変?何を言ってるんだろうかこの人は。
「あ…いやら、離れな、で…おーたーさん」
俺は掴まれた手から逃れ、オーターさんに抱きついた。
「すき。おーたーさん。」
俺はこの人の顔を両手でつつみ、そのままキスをした。
するとオーターさんは舌を入れてきた。
深いキスをされ、ぼんやりとした頭が更に溶けていく。
気持ちいい。
「んふふ、おーたーさん。だいすき。」
俺は凄く気分が良かった。
対してオーターさんは何やら真剣な顔で俺を見ていた。
「ランス。お前、酔っているのか」
オーターさんはそう言って俺の唇に触れた。
酔ってる?俺が?未成年だぞ。
酒を飲んだと疑っているのかこの人は。
「おれは、そんなこと、して、ない」
プクッと頬を膨らませ、俺は目を逸らした。
それを見たオーターさんは、俺をソファーへ押し倒した。
「んぁ、おーたーさん。えっちなこと、しようとしてる」
オーターさんはそのまま俺の首元へ顔を埋める。
舌で舐めたり、時折吸って跡を付けられる。
俺はオーターさんを抱きしめた。
「そんな私は嫌いか」
オーターさんが触れるだけのキスをする。
嫌いな訳がない。
「ん…すきぃ」
そう返事をすると、オーターさんは気を良くしたのか、俺のシャツを脱がしてきた。
「ふふ、くすぐったい、んぁ」
あれ、なんか…急に凄い眠気が。
突然襲われた睡魔に、俺の頭がカクンと揺れる。
「ランス?」
「あ、おーたーさん。やら、はなれない…で。ん…」
2、3度揺れた後俺の意識は消えていった。
目を覚ました俺は、身体を起こそうとして異変に気が付く。
物凄く頭が痛い。なんでだ。
それに俺は下着だけの状態でベッドで寝ていた。
思い出そうとしても何も思い出せない。
確かオーターさんの家に行って、それからの記憶が曖昧だ。
あれ、オーターさんはどこだ。隣を見てもベッドに居るのは俺1人だった。
うーっ、と頭を抱えていると、オーターさんが食器を持ってやってきた。
「起きたか。」
ベッドサイドに置かれたのは、コーヒーとパンだった。
そういえば今何時だ。
ふと壁にかけてあった時計を見る。
「え、10時?!」
俺は慌ててオーターさんを見た。
「大丈夫だ。今日は私もお前も休みだ。」
俺が言いたかった事を察したのか、オーターさんはベッドに腰をかける。
安心した俺は、また頭痛に襲われる。
「頭痛いのか」
オーターさんは心配して俺の額に手を当てる。
あれ、これ、昨日も同じ事…
「オーターさん。俺、昨日の記憶が曖昧で…」
「だろうな」
この人はなにか理由を知っているのか。
「いつにも増して可愛かったな。」
オーターさんは俺の頭を撫でながら、嬉しそうに見つめていた。
「は、はぁ?!」
一体俺は何をしたんだ。
「私の不注意だったせいもあるが、恐らくお前は酒の入った菓子を食べて、酔っ払っていたんだ」
「俺が、菓子を食べて、酔ってた」
頭がふわふわとしていた記憶があったが、あれは酒のせいだったのか。
もしかしてとんでもない事を言ったりしたんだろうか。
「オーターさん、俺、なにか変なこと…言ったか?」
恐る恐るこの人に聞いてみた。
「私の事が大好きだ。離れるな。そう何度も言われたな」
死にたい。いや、本心ではあるが。
それにしたって恥ずかしすぎる。
俺は赤くなっていく顔を手で隠した。
オーターさんは俺の手を取り、そのままベッドへと押し倒す。
「え、オーターさん?」
この人もしかしてこんな朝からヤろうとしてるのか。
「…昨日散々煽られた挙句、途中でお前は寝た。私の言いたいことが分かるな?」
「ちょ、とっ待て、んぅ」
オーターさんは俺の口を開かせ、そのまま舌を入れてキスをしてきた。
まずい、これは腰が立たなくなるまでヤられる。
俺はぎゅっと目を瞑り、これからやってくる快楽の嵐に身構えることにした。
END