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    罪深き珀雷

    @koinosasimi

    普通に上げれないものを上げるかもなと

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    罪深き珀雷

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    エンさんの弟をね、捏造したんですわ。ビジュのみならず魔法と名前も。公式来る前にやることやりたい。

    次男だから白夜の魔眼とかいうテロ集団のせいで、俺の住んでる町も被害を受けた。
    でも幸い、家も栽培室も無事だから商売はできる。
    キノコ売りに行くがてら、町の皆の手伝いでもするか。

    そーいや、兄貴は元気かな。


    復興作業もまだ残っているのに、団長が「家族に無事だって伝えてねぇんだろ?行ってこい」って言うものだから、帰ってきてしまった。
    町にも被害の爪痕は残っているけど、思っていたより復興が進んでいて、安心したよ。

    「お、リンガードさんとこの!いやー、イルさんには世話になってるよ!」
    馴染みの八百屋が声をかけてきたので会釈をする。
    「そうですか…私の家族は無事ですか?」
    「皆元気そうだし、復興の手伝いもしてくれてるよ。ほら、そこ」
    八百屋が指さした先を見れば、次男のイルが雲魔法で瓦礫を運んでいた。

    「やぁ、イル」
    「兄貴!」
    近づいて話しかければ、相変わらず土汚れをそこかしこに付けて、屈託のない笑顔を見せてくれる。
    「良かった無事だったんだな!てか、無事なら早く連絡してくれよな!」
    「ごめんね、色々忙しかったから…」
    「それ、何持ってんだ?」
    イルが小脇に抱えていた王選騎士団のローブに気づいたので、広げてみせる。
    誰よりも綺麗なローブを。
    「王選騎士団っていうのに選ばれて、そのローブなんだ」
    「あー!そーいやこないだ試験受けるって手紙で言ってたもんな!受かってたならそれも連絡しろよ!?全く昔っからそういう大事な事言わねぇんだから。ま、立ち話もなんだしちょっとその辺で話そうぜ」
    「じゃあ、あそこでいいね」

    少し歩いた先にある河原に着くと、イルは足元の小石を拾って水面に向かって投げれば、小石は跳ねて向こう岸に辿り着いた。
    「私も、久しぶりに…」
    エンもやってみたが三回跳ねただけで沈んでしまった。
    「相変わらずヘッタクソだなー」
    「イルが上手すぎるんだよ…。思えば、遊びじゃイルには勝てなかったね」
    その場にしゃがんで陽光で煌めく水面を見つめるエン。
    隣にイルも座る。
    「魔法と勉強、ケンカは兄貴の方が上だったけどな」
    「……そうでもないよ」
    なんだか今にも消えそうなくらい悲しそうな横顔のエンを見て、何かを察したのかイルは肩を抱き寄せて言った。
    「ほんとに抱え込むの大好きな。俺の前でくらい泣けよ、ローブが綺麗なのが役に立ててないみたいで嫌だって」
    「………」
    「しゃーねぇーよ。王族貴族沢山だろ?そりゃあサポートに回るしかねぇよな」
    「………途中で気絶したから、大事な時に動けなかったんだ」
    「不慮の事故ってやつか。それも仕方ねぇよ」
    啜り泣くような声が聞こえてきたので、肩に添えた手の力を強くするイル。
    「過去は過去だ。これから強くなって役に立ってきゃいいだろ?兄貴なら大丈夫。俺が保証する」
    「イル……ありがとう。こんな情けない兄でごめんね…」
    「いーんだよ、少し情けない位が。こうしてたまに俺に頼ってくれるしな。さ、泣き止んだら帰って飯にしようぜ!今日は兄貴の大好きなリゾットだ!」
    細腕を掴んで立たせると、家に向かって二人で歩き出す。
    帰りを待ちわびている家族の元へ、最近話せていなかったことを話しながら。

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