未定妄想の中では何度かお世話になっていたけれど絶対にそんな日は来ないと思っていたし寧ろ来るなと思っていた。つぷんと一粒の球体が体内に入るたびぞわりとした快感が這い上がってきて思わずはぁと息を吐く。いつものように背をベッドボードに預けて脚をM字に開き、奥まった窄みに扱い慣れたそれをゆっくりと納めていく。いつもと違うのは、薄っすら目を開けるとそこに妄想でもなんでもない赤い瞳が、そこを凝視するかざまがいるということだ。
なんでこんなことになったかというと、昨晩きちんと仕舞い損ねたそれが引出しからはみ出ているのを、飲み会後うちに転がり込んできたかざまが見つけたからだった。トイレから戻り、かざまがレモンイエロー色をしたそれをゆらゆらと左右に振っているのを見た時、酔いも血の気も引いた。
「ペンライト」
「そう、そう!」
「でないことは俺にもわかる」
あっさりと正体のばれたそれを手にしたまま、見たい、興味があると譲らないかざまに、被虐心が勝った。
とはいえ準備してる間に寝落ちるか、万が一起きていたとしても対ポスト戦の時のように記憶を無くしてくれないかと祈った。祈りながら風呂場から部屋へ戻ると、ご丁寧にバスタオルがベッドの上に敷かれており、酔っ払いはベッドの下で行儀よく座っている。そうして今更ひけずに、アナニーを披露することになったわけだった。
少し出し入れするところを見せれば気が済むかと思ったが、微動だにしないかざまに流石にしびれを切らす。
「もう、いいだろ?」
早くかざまをさっさと寝かしつけて、別の、もう少し固さのある玩具でイきたかった。
「いつもこんな早く終わるのか?」
「どこまでさせんだよ」
「…イくまで?」
「はっ、ならお前もしろよ」
「ああ、悪い。気がつかなくて」
「ひっ?!」
オナニーしろ、という意味だった。なのに、かざまは俺の手の上に重ねるようにアナルビーズの持ち手を握ると前後に動かした。予想しない動きに、あん、と甘ったるい声が漏れ、痛かったかと急に手を緩めた。
「ちが、ばか、お前もオナニーしろってことで…」
「いいのか」
「…どっちかがイったら終わりな」
「わかった」
アナニーを見られることも、好きな男に手を握られて快感を与えられたことも、目の前でなぜかしっかりとたっているものを取り出されオカズにされるのも現実だとは思えない。だからこそ大胆になれた。かざまが俺の顔や出し入れするそこを見ながら息を荒げてちnkを擦り上げるのを見て興奮材料にしたら更に気持ちよくなってきて声を我慢するのをやめた。そうするとかざまのほうも手の動きが速くなる。
「出そう、」
呻くようにかざまが言った。
「かざま、イって、いっぱい、出せよ…」
煽るように笑って言うと
かざまの眉間の皺が一層濃くなった。次の瞬間には、口を塞がれていた。舌が絡み合って頭の中が溶ける。一体何が起きてるんだ。
イったらしいかざまがようやく顔を離した。
「なんでそんなにかわいいんだ」
かざまの方もおかしいらしかった。