部屋の明かりは柔らかく、上質なマットレス、さらに加湿器のおかげで居心地がいい。
リカオはモノトーンで統一されたゲストルームで横になっていた。
「ダークモンスターの討伐に、倒れるまで力を使うなんてさ。ユーのリスク管理どうなってるの?」
家主であるクースカが呟いた。
「ま、リカオらしいといえばらしいけど」
起き上がり、声のする方へ体を向けようとすれば、視界の端でクースカがそれを制した。まだ頭がぼうっとしていたので、それに甘え、再度横になる。
「あの場には子供が沢山いた……音楽の力を使える大人には、子供たちを守る義務があるだろう……です」
「相変わらず難儀なミューモンだなあ」
2時間ほど前、ショッピングモールの広場にダークモンスターが現れた。仕事の都合でたまたま通りかかったリカオは、咄嗟に愛器を構える。他にもそこにいた数名が協力して音を鳴らし、ダークモンスターの浄化には成功したものの、ここ最近の激務が響いてリカオの力は底をついた。
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