おめえかよ テランの森の小屋はハドラーの急襲をダイが返り討ちにしてから、ようやく静かな夜を取り戻していた。
クロコダインは小屋の前で見張りに立っていた。もう敵襲はないだろうが、念のために警戒している。
小屋の扉が開く。見ればマトリフが小屋から出てきていた。
「寝てなくて良いのか」
ポップから聞いた話ではマトリフは体が悪いらしい。さらにハドラーの攻撃に対抗して呪文を使って吐血したらしく、ベッドを使って寝ていたはずだ。
「ベッドならあのバカに譲った」
マトリフは腕を組んで口を曲げている。あのバカが指すのがポップだとクロコダインはすぐに気付いた。二人は師弟関係にあり、親しくしているのを見ていた。ポップは大丈夫だと言っていたが、無理をしているのをマトリフは見抜いたのだろう。
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