たまにはデートでもしようや「デート、とは」
「なんだよ、デート知らねえのか」
昼下がりの洞窟でガンガディアとマトリフはのんびりとした時間を過ごしていた。そしてマトリフは急に「デートでもするか」と提案したのだ。
ガンガディアは眼鏡に指をやる。光の加減でそのレンズがキラリと光って見えた。
「意味は知っている。人間が行う奇妙な行動だろう。一緒に出かけて同じ行動を取ることでお互いの興味を深めるという。その点でおいて私は既に君への興味は極限値まできているのでこれ以上に上がることはないが、君が私に興味を持ってくれるならデートの意味もある。私が聞きたかったのはデートの具体的な内容だが、やはり流行りはパプニカか。温暖な気候と風光明媚な観光名所を有し、我々の共通の興味がある魔導書を扱う店も多い。しかしその点においてはカールも力を入れ始めたところではあるし、君の希望が一番だから……」
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