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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
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    陽炎@ポイピク

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    ・警官プロシュート兄貴×ウェイターペッシ

    ネアポリスの一角に佇むカフェは人々が集いそれぞれ話に華を咲かせていた。
    扉が開きドアベルが鳴り響く。その音を気にしない者の方が多かったが、店主だけがその男に訝しげな視線を向けていた。
    「ペッシというウェイターを探している」
    警官の男は店主へと真っ直ぐ歩み寄るとそう淡々と告げた。
    「ペッシ?ああ、見てくれの割には良く働いてくれる奴だよ」
    警官の男の眉尻が一瞬だけぴくりと上がる。
    店主は奥で客から注文を受けている緑髪の青年を顎で示した。
    「来い。少し聞きたい事がある」
    警官の男がウェイターの目の前に立ち帽子の影に隠れた蒼眼が鋭く光る。その物々しい雰囲気に注文していた客もオーダーを忘れ息を飲んだ程だった。
    「それってどれ位かかりますか?オレ、仕事中なんすけど」
    ウェイターの青年は怯えながらも男へ返した。
    何しろイタリアの警察が声を掛ける相手はスリの犯人が多い。疑われるというのはウェイターでなくても気分のいいものではない。
    「すぐに済む」
    男の言葉にウェイターは仕方なさそうに他の従業員を呼んでエプロンを脱ぐ。騒雑するカフェの中ですらりとした体格の警官とガタイのいいウェイターの対比は酷く目立っていた。
    路地裏へと連れ立って歩いた後警官の男は立ち止まる。
    「それで?何か情報は掴んだのか?」
    警官の男が鬱陶しそうに帽子を脱ぐと美しい金髪が現れた。
    「それが中々あの店主尻尾を出さねぇんです。組織(パッショーネ)の麻薬を裏ルートで入手して客に売ってるっつぅ情報本当なんすかね?」
    溜息混じりにウェイターが答える。
    そう、ペッシは潜入調査としてカフェのウェイターとして働いていた。元々報酬も少ないチームだからこうして潜入がてら金を稼ぐ事も多い。
    ギャングという身分を隠し一般人の演技をするのはペッシにとって荷が重いのではないかとプロシュートは杞憂していたが案外青年は上手くカフェに馴染んでいた。こうしてイタリアの日常風景に溶け込む彼を見ると嫌でも"もしかしたらあったかも知れないペッシの未来"というありもしない可能性をプロシュートは垣間見てしまう。スタンド能力にも目覚めず普通に生きていたら出会う事もなかったという事も分かっている。
    プロシュートは余計な思考を振り払ってペッシの耳元で囁いた。
    「店主に後暗い事があるなら、必ずお前を『買収』をしてくる筈だ」
    それは所謂口止め料というやつだ。ペッシが証拠を掴んだら金で揉み消すだろうというのは男――プロシュートの勘だった。
    「オレがそれを受け取った上で……兄貴はあの店主を殺すの?」
    「命令を下すのはボスだ。そんな事は考えねぇでいい」
    冷ややかな瞳のプロシュート。
    ペッシはその綺麗な碧が仄暗い青になる瞬間に背筋が冷たくなった。この男はいとも簡単に呆気なく他人の命を平気で奪う。
    オレは何者にもなれなかったから、そういう生き方しか出来ないと告げられた時ペッシはとても悲しかった。
    ギャングという世界でこの男は、どんな気分で警官服に袖を通したのだろう?ペッシはそう思わずにいられなかった。
    「分かったよ兄貴。もう少しの間バレねぇように探りを入れてみる。どこかに麻薬を隠してるのかも知れねぇし」
    ペッシは右手の人差し指からしゅるりと釣り針の付いた糸を伸ばした。
    緊張しているのか少しだけ手が震えている。
    「頼んだぜペッシ。それからよ、そのウェイター服。似合ってるぜ」
    プロシュートは薄く微笑むとペッシを壁際に追いやりキスをした。突然の口付けにペッシは戸惑ったがプロシュートに唇を求められるかの如く啄まれては吸い上げられ、酸素すら、呼吸すら奪われていく。
    「っはぁ、まずいですよ、こんな所誰かに見られたら」
    「あ?カフェのウェイターを口説き落とすネアポリスの警官にしか見えねぇだろ?」
    不満げなプロシュートにペッシは呆れるしかなかった。
    相変わらずこのブル・マリーノの瞳は荒れ狂う波のようにペッシを翻弄する。それなのに時折凪いだ穏やかな海へと変わる。『オレの海で泳げ』と言わんばかりに。
    だからこそ心地良いと感じてしまう。
    「イタリア警官にこんな美丈夫な男なんている訳ねぇでしょ」
    ペッシの精一杯の皮肉。
    この海で泳ぐ為の。
    「くくっ、そうかよ」
    プロシュートはまるで所有物だと主張するようにペッシのシャツの襟で隠れた部分へ跡を残したのだった。
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    陽炎@ポイピク

    DONE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    お題『キセキ』
    月祈(きせき)は神仏に祈る事
    街中で鮮やかな色の糸を見た。
    糸を辿ろうと其れに触れた途端消えた。
    男は直感した。あの糸はスタンド能力だと。
    男は何日間もあの糸が再び現れるのを待った。
    どうして組織の把握していないスタンド使いが居る?
    パッショーネに所属していないスタンド使いが居るとするならば、ポルポの試験で矢に刺される事の無かった天性のスタンド能力者という事になる。
    きらりと光る針先が通りの遠くの方へ進んでいくのを目撃した男は糸の紡ぐ軌跡を追うように辿った。
    その釣り針は観光客の懐へと潜り込むとあっという間に財布だけを掠め取った。男は釣り上げられた財布と並走した。
    正確には糸を引いている主の元へ辿り着く為に。
    「あっ……」
    釣竿を手にしている少年はボロボロの布切れを身に纏い身体中が痣だらけであった。
    弾かれたように逃げようとしたものだから男は咄嗟に釣り糸を掴んだ。掌の中に食い込む針の痛みに構わず男は唇を開いた。
    「――お前、家族は」
    少年は怯えたように頭を横に振った。声が出ないのか、それとも出せないのか。それでもスタンド能力を解除しようとはしない。男はぞくりとした。腕を這い上がっていく釣り針と糸の感覚。この少年はオ 1665