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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
    🍞🚄🍊🍋の沼にも浸り中
    時々®️®️®️🔥🌊

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    POIPOI 486

    陽炎@ポイピク

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    エスプレッソの代わりにキスを

    兄貴の朝は早い。鳥の囀りや目覚まし時計がけたたましく鳴るのが聞こえてくる前に起き上がる。
    プロシュート兄貴曰く暗殺者たる者呼び出しを受けたらすぐに目を覚まさなきゃいけねぇらしい。
    オレはというと寝ぼけ眼のまま瞼を擦り大欠伸をしながらようやくベッドから抜け出した。
    兄貴のスーツに似た黒地にヘリンボーン柄のカーテンを開けると、窓の外には朝を告げる太陽が空を不思議な色に染め上げていた。
    「ボンジョルノペッシ、まだ眠そうだな」
    寝起きのオレのプロシュート兄貴がくしゃくしゃと崩れた髪を乱す。
    「兄貴が起きるのが早過ぎるんですよぉ」
    アパルトメントのドアにあるポストへと投函された新聞を手に取る。リビングへと戻ってきたオレに、兄貴は苦笑しながらホットタオルを投げてきた。
    「取り敢えず顔拭け。いつまでも気の抜けた面してるんじゃねぇぞ」
    上半身裸の兄貴はそのままシャツに袖を通した。
    そんな姿すら格好良くて様になるもんだからオレはタオルで顔を隠した。多分今見惚れた表情になっちまってるんだろう。
    「ほら、ペッシ。タオル寄越せ」
    どぎまぎしてるオレと違って兄貴はいつも通りで。
    「おっ、おう……」
    オレが兄貴へタオルを差し出そうとした次の瞬間。
    ーーちゅっ。
    唇に触れる柔らかい感触と、頬に当たる長い睫毛のこそばゆさ。
    キスされた、と気づいた時には呆気なく口付けから解放され、オレは一気に意識が覚醒すると共に頬が熱くなるのを感じた。
    「ちょっ、ちょっと兄貴!オレまだ歯ぁ磨いてねぇよ!」
    そういう問題じゃねぇんだろうけれど、恋人同士になったからって朝から唇を奪うなんて余りにも不意打ち過ぎるだろ!?
    「あ?構わねぇよ、そんな事は」
    再び口付けをしようとしてくる兄貴をオレは両手で阻止する。っつぅか付き合い始めて気付いたけど、兄貴ってもしかして意外とキス魔なのかなぁ。
    「ま、待って下せぇ!も~!兄貴ってば朝っぱらからそれはねーだろ!?」
    「ハン、朝にキスしたいってなる奴こそが結婚相手に相応しいんだよ、マンモーニめ」
    ドヤ顔をする兄貴にオレはどんな表情をすればいいのか分からなかった。
    そんな情報知らねぇし聞いた事もねぇんだけど。
    「どうしてオレが兄貴の結婚相手に勝手になってるんすか!」
    「何だよ、嫌なのか?」
    くつくつと笑う兄貴を恨めしい気持ちで睨む。
    兄貴のこういうちょっと強引な所も魅力的だと感じてるあたり惚れた弱みってやつなんだろうか。
    「えっと、そのぉ、オレが兄貴に相応しいギャングになる時まで待っててくれよ」
    そん時になったらオレも、朝から兄貴にキスしたいと思うようになってるんだろうか。
    そんな事を考えてると。
    兄貴がオレの頬を両手で包むとこつんと額に額を当ててきた。
    「そりゃあ楽しみだ。成長しろよペッシ」
    催促する訳でもなくそんな言葉を口にする兄貴に、オレはただこくこくと頷き返すしかなかった。
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