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    かつみぽいぴく

    @katsumi_kitk
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    かつみぽいぴく

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    上げてしまってここまでは終わったことにするやつ。モドかしい!先出し後編冒頭です~
    こっからが長い…頑張ります~~~

    #炎ホ
    flameHoop

    「ふむ、」
    大きな親指がやさしく俺の下瞼を引き下げる。
    俺はされるまま、それに合わせて見上げていたあなたの顔よりも視線をもっと上へと飛ばした。
    まず右目、そしたら次は左目。
    終わると今度は顎をとられるので、分かってますよと促されるより先に舌を伸ばして差し出した。
    でもキスする為じゃない。
    口のなかの粘膜の色を確かめる用だ。
    ――個性増強剤〝トリガー〟を摂取した者は舌が黒く変色する特徴があるから。ヒーローとして当然だ。だけど、ですけど。
    あなた、ついさっき事務所でもおんなじことしたのに。
    あれから三十分も経ってませんよ。
    俺のとった部屋に入って初めてするのがキスじゃなくてこれなのだから、もうこの人はって呆れる様なあなたホント裏切らないなぁって笑ってしまう様な心地になる。


    エンデヴァー事務所に戻りホテル並みの来客用宿泊室をお借りして、きっちり二時間。
    所長室に顔を出せばもう私服に着替えたエンデヴァーさんが帰り支度をしていた。
    室内に誰もいないのを確認してから抱き着こうとすると「駄目だ確認してからだ」とまるで柔道で襟を取られないようにする動きみたいに外へ流されてしまった。悔しい。格好良かった。
    大事をとっているあいだ、個性増強剤の影響が出ていないか彼の事務所と契約している医師を呼んで診てもらったのだが、直接ご自分でも確認しないと気が済まない様で。
    「らいひょーふれしょ?」
    「……反応は出ていないようだな」
    「…ん、でしょ?」
    仕上げはエンデヴァーさんってとこだ。
    「じゃあもう……あなた持って帰ってもいいですか?」


    「……よし」
    あ、お許しが出たようです。仕上げのさらに再確認の。
    問診用に差し出した舌を一度しまってそれから、どうしようかな。可愛いいけずな恋人に少しばかり意地悪してあげようか。
    今度こそキスする為に顔を寄せてくるエンデヴァーさんの目と鼻のすぐ先で、口をきゅうと引き結ぶ。間近に迫った精悍な顔つきがム、と唸った。
    「なんだ、さっきまで開けとっただろうが」
    「んー?」
    眉を上げてとぼけてみせる。
    こじ開けるのは忍びないのか、ホークスと諫めつつ俺の口を見ながらお顔の傾きを変えてみるさまは何だか――食べられまいと殻を閉じきった貝をどこから攻略しようと悩んでるクマみたいだ。困ってる困ってる。
    貝柱でなく俺の舌が食べたいのに、って。要するにかわいくて堪らないです。たまにちょっとだけ鼻先が俺の頬を掠める。少し熱い鼻息。
    そうしてから、渋々といった様子で俺の唇へかさついたあなたの唇を押し付けてくるのだから。
    もうもうつい可愛さ負けして笑いがこみ上げてしまった。
    でも肩に逃がして口はそのままなのが我ながら抜け目ない。
    「ふふ、んー…、んーん!」
    首から提げているそれを持ち上げてゆるく振ってみせればあなたまで口を噤む。
    フー…と溜息の鼻息で顔を離してみせるあなたの顔と、天井のライトを映し込んできらりと光るのは一眼レフのレンズだ。
    呆れ声の問いかけはもう承諾の返事と変わらない。
    「……まだ撮るのか?」
    「勿論!」



    俺より体温の高い人差し指だけをきゅっと握って、深爪になってるあなたの端っこだけを捕まえて。部屋の奥へと連れて行く。
    「おいホークス、そっちは」
    「ベッドで撮らないで一体どこで撮るんですか?」
    口では諌めるけど、一歩が大きい恋人は俺に引っ張られるままについてきてくれる。
    ここのホテルはベッドルームとを仕切る扉はない。
    先立って飛んでいかせた剛翼たちがカーテンを引いて少しだけ隙間を残し、部屋の明かりも外からの光も絞る。
    そうすると際立ってくる壁の間接照明が枕元をほんのりと暖色に照らして。雰囲気のセッティングも上出来とばかりに浮かれては、すこしベッドルームで輪をかいて踊ってから羽根が背中へ戻ってくる。
    一人なら翼もまあ伸ばせる、けどあなたとならちょっと窮屈な寝具の傍まで連れ込めば、皺ひとつなくベッドメイクされたマットへ片膝を乗せる。
    「そこ寝そべってほしいです。あなたのセクシーなとこも、撮りたいんで俺……ね?」
    「――……」
    振り向いて恋人を見上げながらベッドに乗せた膝を緩くねじると、ぴんと張っていたシーツにいくつもよじれ皺が生まれる。
    それを見下ろしたエンデヴァーさんがぐ、と息を詰めた。青い眼を海面みたくゆらめかせた後で、それから静かに息を吐く。
    大きな背を曲げると俺に影が出来て――先に報酬を貰う様に一度バードキスをしてから、ベッドに乗り上げてくれる俺の恋人。上等なスプリングが受け止める体躯の重さに微かに軋む。大きな膝をつくとそこだけ面白い位に凹むから、俺の片膝もつられてあなたへと傾き沈むのが楽しい。
    そのままエンデヴァーさんは枕とクッションを剛翼でせっせと集めたヘッドボードへと背を預けてくれた。
    「これでいいか」
    問いながら存在感のある足を伸ばしていくのが堪らなくって、つい浮かれた気持ちで子供みたいにわざとマットレスを弾ませ乗る。あなたと俺の重さで更に沈んだ。
    そのままシーツに膝立ちになって、目の前に横たわってくれた恋人をファインダー越しに見つめる。
    ああやっぱり。顎を上げたさまもいいけど、あなたの顔、少し上から見ると通った鼻筋がぐっと引き立って。目元の落ち影も堪らない。横合いから橙に照らされた肌が炎の照り返しに色を似せているのも。
    嬉しい。けど折角ならーーもうちょっと我儘言っていいですか?
    ファインダーから顔を上げ、自分のカットソーの裾を摘まみながら口の動きだけで「脱いで?」とおねだりする。
    どうかな、呆れられるかな?
    その、声にならず唇がそよがせた空気の揺らぎを見据えたエンデヴァーさんがゆっくりと背を起こし――がばっ、と。
    普段なら裾から両手で行儀良く脱ぐのに、俺を鋭く見つめたまま首の後ろを引っ掴んでぞんざいに脱ぎ捨ててくれた。
    払い捨てられたインナーがサイドテーブルにぶつかり、視界の隅でそのまま音もなく滑り落ちていく。
    「……――……、ッ …」
    俺の好きで堪らないひとのはだかの胸が現れる。知らないうちにこくりと喉を鳴らしてしまった。
    大理石を荒々しく怒りを込めて削った様な怖いくらい逞しい肉体。ゆっくりと背を預け直し王様みたいにそこに横たわっては、深い息にその厚い胸が上下する。
    隆起した腹筋を視線で辿れば、もうほんのりと膨らんでいるスラックスのフロント。うれしい。俺と同じ期待がそこに集まってきてる。
    つい見惚れてしまっていたのを、我に返ってシャッターを切った。
    確認するのも惜しくって、顔をカメラにくっつけたままあなたをそこから熱っぽく覗く。
    俺の他には誰も触れずに久しかった厳しいからだ。
    ごつごつと隆起して岩じみている筋肉は気を許したおとこが触れれば存外に柔らかくなるのをもう知ってしまっている。
    「……ね、下は?脱いでくれないんです?」
    「たわけ」
    してくれないと分かってでも叱られたくてつい口にして。
    もっと、もっとセクシーな身体の上をなめる様なアングルを求めて膝でシーツを泳ぎ寄っていく。
    寝そべったあなたがどこからが一番いいか、もう身体が知っているのだ。
    あなたの胸から腹筋のぼこりぼこりとした堪らない隆起が浮かび上がる角度で撮ろうとすれば、自然とぺたんと脚を開いて座る形になる。さりさりと衣擦れと一緒に膝で擦り寄って。
    気付けばもうあなたの投げだした脚の間にいた。
    ファインダー覗いてても感じる両脚の存在感。ふるっ、と息が揺れる。
    ここ。あなたのここからが堪らないんです。
    エンデヴァーさんはそんな俺にも声をかけず静かに息をして。伏しがちの睫毛に促されて視線が落ちる。
    胸の中心から外側へと毛並みの流れがわかるほどの濃さがある臙脂色の体毛は、うすく汗ばんで肌に張り付いていた。
    No.1という衆目を集める肩書きと裏腹、見せる為の身体ではないから、もちろん腋の処理もしていない。腕だって、腿だって。毛深い雄だ。
    私服も普段しっかり着込んだあなたとギャップのある剥き出しの男の色気にくらくらとする。
    でも、自分のそんなところに興奮する性分がいるなんて微塵も思ってないのだからーーこんなにも逞しいのにどうしようもなく無防備さのある肉体に無性に掻きたてられてしまう。
    「――~~…っ……」
    そんなひとに、一心不乱に腰を振ってもらえるのは俺だけ。
    あなたの身体のシルエットは皆知っているけど、ヒロスの下で匂いたつ雄がファンが想像するよりもこんなにも濃いことを俺ばかりが知ってる。
    堪らずにピントを合わせその色気ごと写真に閉じ込めようとするけど、厚みのあるからだはあっという間に画角をはみ出して。どこもかしこも好きなのにちっとも収まりきらない。
    気付けば片手くらい、撮った写真の確認もせずカメラから顔を離せぬままシャッターを切っていた。
    もう少しだけ、こっちからも。そう太い腿を膝で跨げば内腿と股座が布越しに擦れて。ファインダーを覗いたまま、ん、と息を詰めてしまった。ごつごつとした感触にはやく直接触れたいってボトムのなかで俺の腿が火照る。甘い痺れ。もうやんわりと愛撫を始めてるみたい。
    エンデヴァーさんのセンタープレスのきいたスラックス、たぶん俺が腰を預けたところだけ山がちょっと潰れてしまうかも。
    キュル、ピントを合わせてカシャリ。
    一枚撮っては見せてここが好きですと教えにいった外とは異なり、夢中に灼熱の被写体を捉えていると口数が少なくなっていく。ただただ、嘆息ばかりが口から漏れていくだけ。
    エンデヴァーさんもそう変わらない。だって寝そべってから一言も喋っていない。ただ、俺をレンズ越しに静かに見ている。
    しっとりとした空気のなか、カメラがたてる音の後、その度ぶれないよう少し息を止めていた俺が息を吐く柔音。俺のたてる衣擦れの音だけが耳に届いていたのだけど。
    そこにフーッ…と、あなたの熱い息がひとつ聞こえた。
    あれ、夢中になってる俺に呆れたのかな、と思ってカメラから顔を上げかけると――あ、目元を片手で覆うあなたの癖だ。
    それから普段なら口許へ滑っていく手が今日は、髪を撫でつける動きに持ち上がって。
    寝ていた鎖骨が角度を変える。
    太い腕が持ち上がり、しっとりと色を濃くした腋の体毛がレンズの画角の隅でちらりと覗く。
    そのまま撫で付けていくのに合わせてゆっくりと、伏せられていく緩慢なまばたきが、俺の熱を瞼の裏まで連れ込んでいってしまう、様で。
    「エン、デヴァーさん……」
    まばたきした後のひとの眼が一番綺麗な瞬間。昂ぶりで滲ませたアイスブルーが、青のなかで温度を上げてじっと、俺を見つめていた。
    ああ、呆れてるんじゃない。
    待っててくれてるんだ。
    俺が満足して、腕の中に収まりにくるのを。もう硬くなってるのに。
    そう気付いた途端、全身が一気に内側から発火したみたいになる。熱くこみ上げてきてファインダー越しの熱視線に心臓が潰されそうになる。
    この瞬間を撮りたくてシャッターを切ったけど、手が震えてぶれたかもしれない。わからない。
    けどきっと、今、すごいの撮れた。
    あなたに見せないと。
    熱で浮かされて短くシンプルになっていく思考のまま、寝そべるあなたへ這っていく。
    「ん…、ぁ…」
    これ、見てください、と。
    言わないとなのに。
    けれど――しゅう、と。手をついた腹筋の熱さに灼かれて、静かに俺を見つめておれを待っている視線に、続きは溶けて消えてしまった。
    剛翼が首に提げていたカメラを外し、シーツに音もなく重たげに沈ませるのがやけに遠く感じる。
    ひと、ひと、と掌がくっついてしまいそうな熱さの腹と胸へと手をついて、あなたへと這いのぼっていく。その様も、エンデヴァーさんはしっとりと見つめてくれていて。
    もうカメラを覗いてないのに、俺の焦点はあなたにしか合わない。視界の隅から何から、他のものがみんなぼやけていく感覚。
    ああ、興奮してるんだ。俺も。こんなにもあなたに。
    一言も発さぬまま顔を寄せていく俺と、それに応える為に待たせた恋人がヘッドボードからうっすらと後ろ頭を起こしてくれるのは同じだけゆっくりで、
    「…、…ぅ…ん」
    「……ン、……」
    それなのに、待てずにちょっと突き出して迎えにいってしまった唇同士がちゅ、じゅう…とお互いを吸い合って鳴いた。
    肩から首の付け根へと滑らせた手に、どくどくと太い首の血管の力強い拍動を感じる。
    髭の感触に鼻から息を漏らすともっと熱い鼻息が肌にかかってきて。そくそくと肌が粟立つの、早くあなたに見せてあげたい。
    鳥みたいにどちらからか分からない唇を啄み合い、またどちらからとなく作ったキスの合間も代わりに鼻先が触れ合う。声より先に息の温もりが唇に囁きかける距離だ。
    「っ、んぅ…、…は……ぁ……こみ上げて、きちゃった……」
    「そうか」
    「そうかて……」
    「俺はどうだったか、見ていた癖に」
    「は…ぅん、…ふ……」
    硬くなり始めた膨らみを知っていて夢中になっていた悪戯な年下を叱るくせ、熱いキスは滅法甘い。
    エンデヴァーさんは俺が下したカメラを持ち上げると、サイドテーブルへと腕を伸ばして寝床の外へと追いやる。ゴトリと重たげな音を拾った耳はそのまま荷物を除け終えた大きな掌に髪を梳かれる愛撫を聞いて。熱く火照るのがきっとあなたにもばれてる。
    もうベッドの上にはあなたと俺だけ。
    あなたを跨いだ内腿が早く脱ぎたい触れたいと身勝手に焦れる。
    「今日……あなた撮ってて分かっちゃったんですけど……」
    ゆったりとした瞬きで先を促す俺のあついひと。
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    Replies from the creator

    かつみぽいぴく

    PROGRESS12/12炎ホプチの新刊の冒頭らへんを進捗上げです。
    ホ視点と炎視点バトンタッチ文体。
    ホちゃにテディベア扱いされて焦らしプレイされる炎さんのさらっと読めるイチャイチャすけべ本の予定。
    前半は焦らしプレイ、後半はケダモノセッ気味のいつものやつです。
    全年齢部分は終わったのですけべを呻きながら書いてます。
    3万字ちょい、文庫70~80P予定。通販もあるよ!
    【12/12新刊全年齢部分】カワイイのはオレだけにして?

    今日の俺たちのパワーバランスはこちら。

    「エンデヴァーさん。俺、まだ怒ってますから」
    「……」
    「理由、わかってますよね?」
    「ヌ……」
    あなたが恋人羽毛の触り心地を追い求めて買った高級クッションを我が物顔で抱き締めつつ、俺は唇をツンと突き出した。
    ソファに陣取り足まで乗せてる俺と、そばに立ったままのあなた。
    こうまでしたら分かるでしょ? ヒーローとしては異音一つ見落とさないのに、恋人の扱いにはまだまだ疎い雛鳥さんへ、『ご機嫌ナナメですよ』のサインを贈る。
    爪先でエンデヴァーさんの脛をつんつんと柔くつっつくのもオマケだ。
    叱られる子供みたいに佇むエンデヴァーさんも、「何だその口は」とか「足を乗せるな」とか言わない。居心地悪そうに唸るだけ。ここあなたの家なのに。
    16801

    かつみぽいぴく

    PROGRESSトップ2の恋愛事情はデートひとつもセワしない!後編その1
    ベッドで恋人撮影会する炎ホ すけべの導入のムード作り頑張りました
    以前Upした書きかけ進捗の改訂版です~
    もうちょっと先まで続けてぽいぴく投げます
    「フム……」
    大きな親指がやさしく俺の下瞼を引き下げる。
    俺はされるまま、それに合わせて見上げていたあなたの顔よりも視線をもっと上へと飛ばした。
    まず右目、そしたら次は左目。
    終わると今度は顎をとられるので、分かってますよと促されるより先に舌を伸ばして差し出した。
    でもキスする為じゃない。
    口のなかの粘膜の色を確かめる用だ。
    ――個性増強剤〝トリガー〟を摂取した者は舌が黒く変色する特徴があるから。ヒーローとして当然だ。だけど、ですけど。
    あなた、ついさっき事務所でもおんなじことしたのに。
    あれから三十分も経ってませんよ。
    俺のとった部屋に入って初めてするのがキスじゃなくてこれなのだから、もうこの人はって呆れる様なあなたホント裏切らないなぁって笑ってしまう様な心地になる。


    エンデヴァー事務所に戻りホテル並みの来客用宿泊室をお借りして、きっちり二時間経過観察。結果は良好問題なし。
    シャワーも浴びて、現場からちゃんと回収したカメラで今日撮った桜とあなたを見返していれば二時間なんてあっという間だった。
    肩にカメラを提げて所長室に顔を出せば、もう私服に着替えたエンデヴァーさんが帰り支度をして 9962

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