アシュくんの恋人の話 経営学部1年のアシュヴァッターマンには年上の彼女がいる。
真面目な奨学生には似合わない高級時計やブランド服を着ていたので心配した友人一同が問い詰めたのだ。
自分で言うのもなんだがバスケ部の1年は仲が良い。部活前の更衣室で真顔の俺達に囲まれてアシュヴァッターマンは困ったようにタートルネックの首元に触れた。
「その、恋人がくれたんだ」
少し頬を赤らめて視線を逸らせた好青年に俺達は悟った。
────こういう奴を年上の女性はかわいがりたいんだろうなぁ。
こいつほどの爽やかさも可愛げもない俺達は『恋人とうまくいってます』オーラをだだ漏れさせているアシュヴァッターマンを交互に小突く。
「爆発しろ!」
「彼女の友達を紹介してくれるよな!?」
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