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    いこ受け。なんでも置く。

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    おきいこ、水上視点

     部屋に入った瞬間、今までと何か違うのを肌で感じた。
     悪い感じではない。なんや、こう、アレやな。ホコリ満載の部屋に入って呼吸したら鼻がムズムズする感じ。
     おるんはイコさんと隠岐。二人ともただ座って自分のタブレット眺めてて何も変なとこはない。
    「なんや今日」
     椅子に座りつつ話を振る。
    「餃子めっちゃ食べたい気分なんすわ」
     もっと違う話題あるやろ俺。なんやねん餃子て。
    「今日の帰りいつもの中華屋さん行こか」
     ああーー……。イコさんが喋った途端、隠岐の顔が強張った。すぐ俯いてバイザーで見えんようになったけど。
     あー、これはなんか約束しとったな。いや、いくらイコさんでも約束してたら中華食べに行こなんて誘わへんな。隠岐が誘おうとして言い出せずにいたとこで俺が部屋に来た、ってとこか。
    「今日はオカンが鍋言うてたんで、明日どうです?」
    「ええよ。隠岐は?」
    「おれ……も?ええんですか?」
    「も?ってなんやねん。海もマリオちゃんも誘うで」
    「なら、いきます」
     二人のぎこちないやりとりに、あってないような背筋が軋む。俺がおっても持ち前の愛想の良さで「イコさんおれと二人でごはんいきましょお〜」ぐらい言わんかい。ええ加減先に進め。
     もどかしさに一人悶えていると、ふと気付いた。
     この部屋、誰かしらいっつもベラベラ喋ってて、イコさんおったらイコさん中心にずっと話ししてるはずやのに、何で今日は静かなんや?
     部屋に入った時のむず痒さを思い出し、俺は二人をじぃっと見つめた。目の前に座る隠岐はちらちらと俺の方を見たり、イコさんの方を見たりと忙しい。すぐ横に座ってるイコさんは難しそうな顔してタブレット見つめてるけど、その目が動いてない。隠岐が一方的に何かしようとしてたんかと思ったらそうでもないっぽいな。俺は二人の間で何かあったと結論付け、撤退を決める。
    「ちょっと飲みモン買ってきますわ」
    「気を付けてな」


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