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    neko3caoo

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    #遊Ai

     ふわりふわりと舞うAiを眺めている。ドラマで見た踊りを覚えたようで「見て見て!」とねだられた。表情を変え、視線を向けるAiはまるで【誰か】と踊っているようで、心にモヤモヤとした何かが積もる。
    「Ai」
    『どーしたの、遊作?』
     楽しそうに踊っていたというのに、遊作が声をかければぴたりと止まり、近づいてくる。試しに頭を撫でればふにゃんと笑みを浮かべた。締まりのない顔に優越の表情を見せる。
    『楽しいことあった?』
    「いや……あとどれくらい踊るんだ?」
    『えー?いつまでも踊っていられるけど』
     疲れることのない身体、飽きがくるまで踊るのだろう。ただ遊作が求めれば優先は変わる。いるはずのない【誰か】に妬いたなんて伝えたらどんな反応をするのだろうか。
    『あっ!遊作も踊ろうぜ!』
    「俺は……」
     断る言葉は最後まで紡がれることなく、微笑むAiに手を引かれるまま身を任せる。ステップなんて知らないからAiの動きにつられるだけだ。周りから見れば歪なダンスだろう。
    『距離が近くてドキドキしちゃう?』
    「そうだな」
    『へ……っ!』
     顔を寄せたAiに更に顔を近付け、唇を奪う。余裕の笑みが崩れてあわあわと真っ赤になる姿に気分が良くなる。
    「キスがしやすい」
    『あ、うぅ……』
     Aiは恥じらい俯くが、身長差故に遊作にその表情は丸見えだ。その表情を堪能したいと思いつつ、体重をかけてくるAiに耐えきれそうにない。
    「Ai、重い」
    『重くない!』
     ソルティスの身体は頑丈に出来ているため重い。遊作の言葉に反射的に返事をしたようだが、理解したのか体勢を整えた。ふぅ、と息を吐いて今度は遊作が手を引く。
    『なぁに?』
    「帰るぞ。踊り足りないなら部屋でやれば良い」
    『んー……好きに踊ったし遊作とも踊れたから満足したかな』
    「そうか」
     指と指をしっかりと絡めて繋がれる手。くふくふとAiは笑っている。
    『早く家でいちゃいちゃしようぜ』
    「ああ」
    『あらら、遊作ずいぶんと素直じゃん』
     淡々とした言葉と裏腹にAiの頬は桜色に染まっている。今想いを伝えたらどうなるだろうか。
    「Ai、好きだ」
    『ん!?急にどうしたの遊作!?』
    「伝えたくなっただけだ」
    『あーもう!俺も好き!』
     がばりと抱きつかれる。バランスを崩すことはないので手加減されていると思うが歩きにくい。だが、それも良いかとゆっくり歩き進める。
    『わぁ!遊作逞しい~』
    「黙っていろ」
    『はーい』
     茶化す言葉を黙らせ時間をかけて家にたどり着く。へとへとの遊作と違いAiはご機嫌で元気いっぱいである。
    『ほらほら疲れた遊作ちゃんに膝枕してあげる!』
    「はぁ……頼む」
     ベッドの上に正座して膝を叩くAiの言うままに頭を預けた。硬いような柔らかいような感触、さらりさらりと髪を撫でられるのが心地よい。うとうとと瞼が落ちる。
    「お疲れ様、おやすみなさい」
     慈愛に満ちた音が眠りに落ちる遊作の耳に沈んでいった。
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